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Vol.1 小諸のムササビたち

2020.3.12

現在、小諸市動物園には3頭のムササビが暮らしています。
メスの【ここ】とオスの【むむ】と【ぴぴ】です。

それぞれの共通点は保護です。
動物園では、怪我や親とはぐれた野生動物を保護し、野生復帰をさせる取り組みをしています。しかし、復帰が難しい場合は、動物園で終生飼育をしています。当園では、ムササビだけでなく、ホンドテンやタヌキ、ニホンザル、チョウゲンボウやフクロウなども保護され飼育しています。

さて、今回はそれぞれの来園時の紹介をしたいと思います。

 メスの【ここ】は2017年4月に姉妹の【もも】とともに長野市の森で保護されて来園しました。
【ここ】と【もも】と母親が暮らしていた樹洞のある木が伐採により倒されました。その際に、母親は逃げてしまい、2頭がとり残されました。運良く伐採業者の方に発見され、動物園に保護されてきました。

2017年の春にはもう1頭、オスの【ろろ】も数日前に保護されていました。
残念ながら、姉妹の【もも】保護されて2ヶ月後に突然体調を壊し急死。

【ろろ】は、あと2ヶ月で一歳を迎える頃に腸捻転を患い亡くなりました。3頭の中で一番身体の小さかった【ここ】は、元気に育ちもうすぐ3歳になります。

保護された当日の様子

元気だった頃の【もも】【ろろ】と【ここ】

丸太から顔を出す【ここ】

キャリーから顔を出す【もも】

巣から顔を出す【ろろ】


 1頭になってしまった【ここ】、本来ならまだ親と過ごしている時期です。「寂しいな〜」と思っていた頃の2018年5月に来園したのがオスの【むむ】です。
【むむ】は軽井沢町の別荘地の森の中でカラスにさらわれ途中で落とされたところを住民が見つけ、保護されました。
運良くカラスは何もしなかったようで無傷でした。【むむ】も【ここ】同様に目が開いていない状態でした。

保護当日【むむ】にスポイトを使い授乳しているところ

目が開いたころの【むむ】


 そして【ぴぴ】は2018年の10月に軽井沢町の野生のムササビ観察会を行なっているNPO法人ピッキオのそばの道の真ん中で保護されました。どうやら、他の巣へ移動中に母親から落ちてしまったようです。

【ぴぴ】が保護された場所に「ムササビ横断注意」の看板があります。この辺りはちょうどムササビの通り道だそうです。


他の個体と違い【ぴぴ】は目が開いた状態で保護されました。しかし、まだ離乳始まっていないころでした。

来園当日の【ぴぴ】

体重測定中の【ぴぴ】


【ぴぴ】が離乳するころ、ちょうど真冬でした。本来なら親と過ごし、寒さをしのぐのですが、数ヶ月前に保護された【むむ】とまるで血が繋がっているかのように、仲良くなり現在も一緒に過ごしています。

巣箱の中で仲良く過ごす【むむ】と【ぴぴ】


現在3頭は無事に親となれる成獣に育っています。

【ここ】

【むむ】【ぴぴ】


次回は、ムササビの人工哺育について紹介します。

著者プロフィール

岡野 鈴子(おかの・すずこ)

埼玉県出身
自由の森学園在校時に野生のムササビに出会い滑空に魅了される。
またロードキルのタヌキなどで骨格標本作りを学ぶ。
生物関連ではなく映像制作の仕事に従事するが、一念発起し子どもの頃のからの目標だった
動物園の飼育係を目指し方向転換。智光山公園こども動物園、
アフリカでのサルの調査の補助を経て、現在小諸市動物園に勤務。

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