
『どうぶつのくに』は、動物たちの旬のニュースをお伝えするとともに、動物園とお客様をつなげる役割を担うことを目指す、恩賜上野動物園初のコミュニティ誌です。
動物園は、動物たちに親しむことで、お子様から大人まで広く楽しんでいただける場所であると同時に、私たち人間と同じ生き物である動物の生態や命の大切さ、自然界の成り立ち、そして絶滅危惧種の現状や環境保護について教えてくれる貴重な場所です。
『どうぶつのくに』では、このことを一人でも多くの方に共感していただき、上野動物園を楽しんでいただけることを願い、その第一歩として、動物への興味を喚起する誌面作りを目指しています。本誌では、お子様にも親しみやすい誌面作りを基本としつつ、大人の知的好奇心や趣味心を刺激する内容やコラムも用意しています。表紙には「世界最高の写真家集団」と知られるマグナム・フォトのカメラマンを起用するなど、クオリティの高い写真で動物たちの新しい表情をお伝えしてまいります。また、動物園だけでなく、上野の街をより楽しんでいただけるよう、上野のアート情報やショップニュースなども紹介しています。
WEB上では、撮影時の裏話など本誌の中では紹介しきれないWEB限定のコンテンツや特別プレゼントなどをご紹介します。
本誌と併せ、今後ともご愛読、ご支援のほど、心よりお願い申し上げます。
『どうぶつのくに』 制作発行責任者![]()
田井基文
毎年上野の山が桜色に染まるころ、上野動物園は誕生日を迎えます。上野動物園は明治15年3月20日、日本で最初の動物園として開園しました。今年の127回目の開園記念日に、上野動物園にふさわしいコミュニティ誌『どうぶつのくに』が創刊されること、まことにありがたいことと存じます。
上野動物園は動物の魅力的な行動や神秘的な生態を間近に見ることができる場所として、国内外の多くの皆様に親しんでいただいています。また、国立動物園の無い日本で、動物という「平和の大使」の受け入れをする大切な使命も果たしてまいりました。そうした役割に加えて、21世紀にふさわしい新たなテーマへの取り組みもはじまっています。
新しいテーマの一つは、「日本の文化を大事にし、伝えていく動物園」です。「日本の文化」とは、江戸時代以前から日本人が飼ってきた日本在来家畜や家禽たちを指しています。上野動物園では、生ける文化財として、在来家畜、家禽に光を当てていきます。
もうひとつの新しいテーマは「地球の気候変動への対応」です。今、世界的に温度や湿度の変化に弱い両棲類や、日本の高山に住むライチョウの絶滅が心配されています。上野動物園では、こうした気候変動に弱い動物たちを保全していく研究を開始しました。
また、動物舎や観客通路の壁面緑化を促進するなど、できるだけエネルギーを使わずに、動物にも来園者の皆さんにも快適な動物園を目指していこうと考えています。
「文化の動物園」、「環境の動物園」として、これからも上野動物園を多くの方にお楽しみいただければ幸いに存じます。(創刊号より抜粋)
恩賜上野動物園園長
小宮輝之