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バイカルアザラシの形 Vol.1

2015.2.25

 その丸みを帯びた体型が特徴のバイカルアザラシ。「太りすぎ」との指摘には、以下の理屈っぽい説明をする。

 

1

 

 まず、冷たい湖に生息するので、保温の必要がある。毛皮の下には厚い脂肪層があり、体脂肪率は40%に達するとされる。体型が丸っこいのは、熱ロスを低減させる形だから。熱は暖かい方から冷たい方へ流れる。体積が同一で形が異なる物体の熱ロスはその表面積が小さい方が少ない。同一体積で最小の表面積を持つ物体は球なので、球体に近い形状のものほど熱ロスは小さい、だからバイカルアザラシの体型は、保温のための、熱断熱効率を高めるための適応進化の結果と考えられる。

 

2

 

 更に重ねる。丸っこいと水中での抵抗が大きいから泳ぐ速度が遅くなる。動きが遅いと獲物として狙われる。でも大丈夫、何故ならバイカル湖にはバイカルアザラシを襲って食べる捕食者がいないから。これが海だと、シャチやホッキョクグマに襲われる、だから海にいるアザラシは流線型が基本。バイカルアザラシほど丸っこい形のアザラシはいない。

                                                             (つづく)

著者プロフィール

加藤 治彦 (かとう・はるひこ)

新潟市水族館マリンピア日本海館長。
1957年、千葉県生まれ。
東京水産大学(現東京海洋大学)大学院修了。
1982年より愛知県の南知多ビーチランド勤務。
1991年より新潟市水族館マリンピア日本海勤務

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