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Vol.11 ちょっと変わった子育て方法

2017.4.11

みなさま、こんにちは。
アフリカに生息するサルを担当している奥村太基です。今回、私が紹介するのは白黒模様が特徴的なこちらのアビシニアコロブスです。

アビシニアコロブスはリーフイーターと呼ばれる、葉を主食としている霊長類の仲間です。胃が3つに分かれており、そこには微生物が生息しています。そして、その微生物が葉の繊維を発酵・分解し、発酵ガスや分解されたものを栄養源やエネルギー源としています。ウシと同じような消化方法をとっているちょっと変わったサルなのです(ちなみに反芻はしません)。そんなアビシニアコロブスですが、実は赤ん坊の体の色が大人と異なり全身を白い毛で覆われています。

そして、母親でない個体が赤ん坊を抱く行動(アロマザリング)をするという珍しい育児行動をします。このアロマザリングという行動はコロブス類特有の行動で母親の負担軽減、未経産メスの育児学習といった利点があるそうです。実は日本モンキーセンターでは2015年の7月と2016年の3月にアビシニアコロブスで出産がありました。そこで、誰が赤ん坊を抱いているか実際に記録を取ってみたところ、産まれた翌日から母親でないメス個体からのアロマザリングが見られました。

そして、面白いことに赤ん坊が成長するに従い、アロマザリングをする頻度が減少していきました。なぜアロマザリングをするのか、それは赤ん坊の色が大人と異なり白いことが関係しているのではないかと言われています。ちなみに、この毛色は3ヶ月ほどで大人と同じ色に変わります。このように赤ん坊の色が大人と違う目立つ色であることで、他のメス個体に注目されやすくなり、多くのメスに面倒を見てもらいやすくなるそうです。
今では、赤ん坊単独で行動することも多くなり、よく動き回ったり、じゃれ合ったりしています。
次回以降もお楽しみに。

著者プロフィール

奥村太基 (おくむら・たいき)

1993年3月29日生まれ 岐阜県出身
大学を卒業後、(公財)日本モンキーセンターに入社。
KIDSZOOを担当したのち、現在はアフリカに生息するオナガザル科の霊長類を担当しています。

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