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Vol.15 アザラシ5(ファイブ)

2015.5.10

みなさんは日本近海に5種類のアザラシが生息している事をご存じでしょうか?

「もちろん知っている!」という方は、その5種類の名前がすぐに頭に浮かんでくるでしょうか?名前どころか「それぞれの体の模様まで浮かんでくる!」という方は、海洋動物を専門としている研究者や写真家、水族館のアザラシ担当、または相当なアザラシ好きな方に間違いありません。

答えはと言いますと「ゴマフアザラシ」「ゼニガタアザラシ」「ワモンアザラシ」「アゴヒゲアザラシ」「クラカケアザラシ」です。
しかし、これを知ったところで特別興味がない限り「ふ~ん。あ!ところでこれからラーメンでも食べに行く?」と、会話のクッションにされる事が関の山です。

おたる水族館ではこの日本近海でみることのできる5種のアザラシをすべて展示している日本で唯一の水族館なのですが、まだまだこの5種のアザラシの認知度アップには貢献できていないのが現状です。ゴマフアザラシを例にしても冬期間、小樽近海には野生のゴマフアザラシがあたりまえの様にいるのですが、住民の多くはその事を知りません。
防波堤でアザラシが休んでいれば「今年はもうアザラシが来たのか。いよいよ冬がきたな~」とはならず、「あぁぁ!!!アザラシだ!テレビ局に連絡だ!住民票も出してもらわなきゃ!」「こんなところにいるなんて!弱っているに違いない!保護しなきゃ!!」といった展開になります。おたる水族館がある、小樽ですらこの状況ですから、これは水族館としてゴマフアザラシの事を「伝える」という役割をまだまだ果たせていないと言っても過言ではないのです。

外国に生息しているアザラシならまだしも、日本近海でも生活しているアザラシなのですから、それぞれの存在を!魅力を!ぜひ知ってほしい!それが伝える事ができなければ野生からわざわざ連れて来て水族館で飼育・展示するなんて意味がないのではないか!!!
なんてことを自問自答する機会が増えてきました。

と、いう訳でですね、これから少しずつですが、日本近海でみることのできる5種のアザラシの事を紹介していきたいと思います。
どうぞ、お付き合い下さい。

ゴマ模様が特徴の「ゴマフアザラシ」

ゴマ模様が特徴の「ゴマフアザラシ」

50円玉やの様に穴のあいたお金を意味する「銭」模様が特徴の「ゼニガタアザラシ」

50円玉やの様に穴のあいたお金を意味する「銭」模様が特徴の「ゼニガタアザラシ」

立派な髭が特徴の「アゴヒゲアザラシ」

立派な髭が特徴の「アゴヒゲアザラシ」

「輪」の様な模様が特徴の「ワモンアザラシ」

「輪」の様な模様が特徴の「ワモンアザラシ」

馬に掛ける「鞍」の様な模様が特徴のクラカケアザラシ

馬に掛ける「鞍」の様な模様が特徴のクラカケアザラシ

著者プロフィール

神前和人(こうざき・かずと)

1984年兵庫県伊丹市生まれ
北海道東海大学工学部海洋環境学科卒業
2007年より「おたる水族館」勤務 
現在はトド・アザラシ・セイウチなどの海獣類を担当。学芸員。
特技の写真撮影を活かし飼育員ならではの目線で生き物の魅力を発信している。
著書に「おたる水族館のいきものたち」「かいじゅうさん、ハイ」(写真担当)がある。
好物は麦チョコ。

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