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Vol.2 「セレナ」と「カメ吉」友情物語 ~二人は本当に友達?~

2012.7.12

鳥羽水族館の飼育動物で、仲の良い友達同士と言えばなんと言っても「セレナ」と「カメ吉」でしょう。その証拠にこの二頭を題材にした「ふたりはいつもともだち」という絵本があるくらいですから・・。でも、一応念のためにこの“ふたり”の関係をご紹介しましょう。

まず、「セレナ」は言うまでもなくジュゴン、そして「カメ吉」はアオウミガメです。

仲良くアマモを食べる「セレナ」と「カメ吉」。
アオウミガメのカメ吉は、セレナの餌のアマモが大好物。

昔、ふたりの絆の強さを裏付けるこんな“事件”がありました。

当時、ふたりは同じプールで同居していました。アオウミガメのカメ吉の大好物はセレナが毎日食べている「アマモ」と言う海草。この海草を金網に植えて底に沈めると二頭が仲良く並んでその餌を食べていたのでした。ある日、セレナの一日の摂餌量を調べる必要が生じ、一日中カメ吉を別のプールへ移動したところ、どうもセレナの様子がおかしいのです。しかも、食欲不振というか一日中ぼんやりと浮かんでいることが多くなってしまったのでした。しかし、カメ吉を元に戻すと再び元気になり、餌も食べ始めるのです。後に私達は、カメ吉を引き離すことでセレナがきっとて寂しくなって食欲が落ちたのだろう・・と言う結論に達したのですが、真偽のほどは分かりません。

水中で撮った二頭のベストショット。

実際、野生下でも、しばしばジュゴンがウミガメを抱えて遊んでいる様子が航空機から観察されています。まあ、どちらかと言えば、カメがジュゴンに遊ばれていると言った方がいいのかも知れませんが・・。

しかし、そんなカメ吉も最近大きく成長し、しばしばセレナを咬むようになってきて困っています。そのため、残念ですがカメ吉は昼間のいっときを除いてセレナと別居することにしました。きっとカメ吉は、自分の結婚相手にふさわしい本当の“お嫁さん”が欲しいのかも知れません。

著者プロフィール

若井嘉人(わかいよしひと)

1960年 大阪府堺市生まれ
1983年 近畿大学農学部水産学科卒業
1984年 株式会社鳥羽水族館入社
飼育研究部に配属後、ジュゴンをはじめとする水生動物の展示と飼育研究に従事、1986年からフィリピンにおけるジュゴンの調査にも参加し、以来セレナの飼育担当となる。
現在、取締役飼育研究部長

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