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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.4 マルチビゲンゴロウ

2017.1.31

和名:マルチビゲンゴロウ
学名:Leiodytes frontalis

マルチビゲンゴロウ(体長1.5mm)

 前回ご紹介したチビゲンゴロウよりも少し小さなゲンゴロで体長1.5mmほどです。福島県で確認されているゲンゴロウの中で一番小さなゲンゴロウです。本種は水生植物が豊富な湿地や池沼、放棄水田などで見ることができます。生息地での体数は多いですが、福島県内では分布は局所的です。

マルチビゲンゴロウの多産地

池沼でも水生植物が豊富な場所には多く見ることができます。ここの生息地では、マルバオモダカ、ジュンサイ、キクモ、ミズトンボの仲間といった珍しい植物などが残っており、ゲンゴロウの仲間だけでも県内で確認されている50種類のうち20種類を見ることができます。

マルチビゲンゴロウの1齢幼虫

昨年から当館で飼育を始め、今年の5月末に初めて幼虫を確認することができました。大きさは1mm前後の1齢幼虫でした。このころ水槽内は幼虫が多数見ることができ、ひっそりと繁殖が繰り広げられています。

マルチビゲンゴロウ3齢幼虫

3齢になると3mmほどまで成長します。6月中旬ごろには多くの3齢幼虫を水槽内で見ることができました。餌は成虫にあげている冷凍のアカムシや、水槽内で湧いていたミジンコの仲間などを食べていました。

福島県では現在50種類のゲンゴロウの仲間が確認されています。マルチビゲンゴロウは県内でも生息地は局所的であるため、新たな生息地発見に努めていきます。

おもしろ箱水族館では20cm型のキューブ水槽で1種類ずつ水辺の生き物を展示しています。小さな箱にはたくさんの情報が詰まっている宝箱です。じっくりと観察しに来てみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

平澤 桂 (ひらさわ・けい)

1976年東京都出身
1999年11月アクアマリンふくしま入社
2015年4月アクアマリンいなわしろカワセミ水族館異動
同館のリニューアルオープンの立ち上げに携わる。

淡水生物全般を担当。
現在は福島県内の水生昆虫を中心としたフィールド調査をライフワークとしてます。水辺の生き物を通して、多くの来館者に身近な生き物、自然環境について考えるきっかけになるような展示を作り続けていきたいです。

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