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京の水辺のいきものたち(番外編)Vol.23~アカイシサンショウウオ~

2017.8.4

アカイシサンショウウオの正面顔

 アカイシサンショウウオは、静岡県、長野県、愛知県、山梨県の標高500~1200mの森に住む小型サンショウウオです。自然度が高い山地にある川の源流部付近とその近くで見られます。生態はまだまだ謎に包まれていて野外で卵塊も幼生も見つかっていないようです。

アカイシサンショウウオの成体

 大きさは、9~11cmと小さく、背面は全体的に紫褐色一色ですが、小さな銀白色の斑点を持つ個体もみられます。繁殖期は4~5月上旬だと考えられています。谷川の源流部に近い場所の伏流水中で産卵するのではないかと考えられています。実験下では卵が得られており、卵数は9~13個と少なく大型で白っぽい色をしていることが観察されています。孵化した幼生は伏流水中に留まり、卵のうだけで成長するようです。その後はどのように生活をしているのかまだ知られていませんが、上陸して間もない個体を水際の地中で見つけたことがあります。

 

アカイシサンショウウオの成体の横顔

 サンショウウオを横から見ると目の部分が盛り上がっているのがよくわかります。日本で見られるサンショウウオの多くは目で獲物を追って捕食するようで、周りを大きく見渡せるために飛び出ているのではないでしょうか。飼育していても飼育ゲージの蓋を開けると猛ダッシュで餌をつかむピンセットに向かって一直線です。
 アカイシサンショウウオは記載されてまだそれほど時間がたっていませんが、その間見つからずにひっそりと暮らしてきた環境をこれからも持続できるような働きのお手伝いができればと思っています。

著者プロフィール

関 慎太郎(せき・しんたろう)

2002年より身近な生物の生態写真撮影を開始し、これまでに30冊以上の本を手掛けてる。特に日本産の両生類や爬虫類の生態写真には定評がある。
現在は、京都水族館にてオオサンショウウオや希少淡水魚の保護増殖活動、里山環境の保全に従事している。

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