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京の水辺のいきものたち(番外編)Vol.24~クロサンショウウオ~

2018.4.26

クロサンショウウオの正面顔

 クロサンショウウオは、長いあし、長い尾を持つ小型サンショウウオです。分布域は広く福井県~長野県~茨城県を結ぶ辺りより北の本州や佐渡島でみられます。

クロサンショウウオの成体

 大きさは13~16cmと小型のサンショウウオの中では比較的大きくなります。背面は暗褐色をしており、種小名のnigrescensはその体色が黒っぽいことを意味します。繁殖期のオスは池底などの水中に長く留まるため、皮膚をたるませ表面積を大きくして皮膚呼吸を補います。そのボヨボヨした姿は同じ種とは思えないほど異なります。おもに昆虫やミミズを食べています。繁殖期は2~7月で、池沼や湿地などの止水域に白もしくは透明なアケビ状の袋に包まれた卵を産み、約1ヶ月ほどで孵化します。孵化したての幼生には止水性サンショウウオの特徴の一つであるバランサーという平衡棹が備え付けられていますが、前あしが生える頃までにはとれて無くなります。

クロサンショウウオの卵塊

 山際にある小さな池の水中に目を凝らすと、沈んだ木などにクロサンショウウオの卵塊が鈴なりにぶら下がっているのを見かけることがあります。知らない人が見るとなんとも不思議な物体であることは間違いないです。掴もうとしてもドロンッと手元から滑り落ちるため余計に気味が悪く感じます。産卵期は標高などにも左右され、低地であれば2月から始まるのですが、高地では6月からと随分遅くなります。また卵のうが白ではなく無色透明な卵や藻類が付着して緑がかった色をしたものも見つかっています。身近ないきものでありながら、まだまだ不思議がいっぱいで、ますますフィールドに出たくなりますね。

著者プロフィール

関 慎太郎(せき・しんたろう)

2002年より身近な生物の生態写真撮影を開始し、これまでに30冊以上の本を手掛けてる。特に日本産の両生類や爬虫類の生態写真には定評がある。
現在は、京都水族館にてオオサンショウウオや希少淡水魚の保護増殖活動、里山環境の保全に従事している。

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