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Vol.2 オグロヅル

2012.2.19

前回の予告では出水平野で越冬するツルたちを取り上げる、としましたが、予定変更です。この2月から平川動物公園のツル展示に新しい仲間「オグロヅル」が加わりましたので、今回は彼女の紹介をします。

オグロヅルはその名のとおり、尾羽が黒いことが特徴のツルです。「タンチョウも黒いよ!」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。ちょっと見比べてみましょう。

どちらも同じように見えます。実はタンチョウで黒く見えているのは「風切羽」という翼の羽で、尾羽は白です。オグロヅルは風切羽と尾羽がどちらも黒いのですね。翼を広げた時には注目してみてください。

 

 

黒い頚と額から目先にかけては羽毛がまばらで赤い皮膚がのぞいているのも特徴の一つです。

 

 

オグロヅルは標高3000-5000mの高地で繁殖する湿原性のツルで、様々な植物や動物を食べる雑食性です。動物園ではツル専用に作られた固形フード(ペレット)を中心に、野菜や魚を組み合わせて餌を設計しています。

 

 

本当は新しいオグロヅル舎を用意してあげたいのですが、以前にクジャクが住んでいた獣舎を改修して展示しています。鳥インフルエンザへの防疫として、目の細かい網を張っていることもあって、魅力的な展示とは言いがたいのが残念でなりません。

 

 

平川動物公園のオグロヅル、皆様に公開するにあたって「アザミ」というステキな名前がつきました。野生では8000~11000羽程度の絶滅危惧種で、故郷の中国ではジャイアントパンダなどと共に国家一級重点保護野生動物に指定されているそうです。日本国内でも5園で8羽しか飼育していない珍しい鳥ですので、ぜひ足をとめてみてくださいね。

著者プロフィール

玉井勘次(たまいかんじ)

1974年 東京都生まれ
鹿児島大学農学部獣医学科 卒業
よこはま動物園を経て2008年より鹿児島市平川動物公園に獣医師として勤務。
展示動物の飼育管理、保護動物の治療の他、学芸員や高校教諭の資格を活かして教育普及活動にも取り組む。ライフワークは「動物園外」の野生生物保全。
ナベヅルおよびアルダブラゾウガメ種別調整者。

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