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相模湾のいきもの Part13

2014.11.17

イセエビ(伊勢海老)Panulirus japonicus

イセエビ

イセエビ

 クルマエビとともに水産上有用な食用エビです。茨城県以南に分布し、相模湾では産卵期の6~7月が禁漁期となっており、秋から冬が旬とされています。体を真っ二つにして焼いて食べたりもしますが、個人的には刺身の方が好きです。

 体が大きく表面が固い棘に覆われています。かっこいいです。鎧をまとって強そうです。祝宴や飾り付けに使われるのもうなずけます。

イセエビ

イセエビ

 ロブスターのような大きなはさみは持っていないので、はさまれることはありません。しかし、ギーギーと擦れるような音と、ヒュンヒュンと振り回している長い触角は恐怖心をあおり、移動時など手でつかもうとする気持ちをなえさせます。触角には棘があり触れると痛いです。また、お腹をビュンビュンあおって暴れて逃げようとします。

ジェリーフィッシュライダー

ジェリーフィッシュライダー

 また、飼育下では餌によっては赤みが薄れて紫がかったりします。ザリガニなどでもそうですが、体色は餌によってかなり影響を受けるようです。

フィロゾーマ幼生

フィロゾーマ幼生

 イセエビやセミエビなどは成長の途中、透明でクモのような「フィロゾーマ幼生」と呼ばれる姿で浮遊生活を送ります。かつてはイセエビなどの幼生だということがわからず、別の種類の生き物と考えられていたそうです。このフィロゾーマ幼生は餌の一つとなるクラゲにまたがって浮遊することがあり、ジェリーフィッシュライダーと呼ばれ、稀に採集されて展示されることもあります。精巧なガラス細工のような幼生がクラゲの傘の上にまたがり、傘の端の方から食べていく姿は何とも不思議な光景でした。

著者プロフィール

崎山・直夫(さきやま ただお)

1968年東京都生まれ。1994年鹿児島大学大学院水産学研究科修了(水産学修士)後、株式会社江ノ島水族館 (現・株式会社江ノ島マリンコーポレーション) に入社。旧江の島水族館の2号館マリンランド(鯨類)、3号館海の動物園(鰭脚類ほか)、1号館水族館(魚類ほか)勤務を経て、2004年より新江ノ島水族館・魚類チーム(魚類ほか)に勤務。

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