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福岡メガマウスの記録と記憶 Vol.16 仲谷先生、博多駅でスター的出迎え

2015.5.27

 メガマウス学術研究会を立ち上げるために、まずは国内の研究者に相談を始めたのだが、この分野の第一人者である仲谷先生に「ぜひ委員長に」と北海道大学に連絡をしたところ、「実習船で東南アジア方面に出航中で年末に帰国」とのことだった。それでも連絡をとりたいと、衛星電話で洋上の先生になんとか第一報を入れることができた。同じ頃、先生も日本からの大ニュースになった新聞報道を衛星FAXで受け取られていた。先生からは「ひとまず研究体制が整うまで冷凍保存を」とのアドバイスをいただいた。そのこともあって、一昨日のFBのように無事にヨコレイさんの冷凍庫に収容ができていた。船上の仲谷先生は、ひと目でも早くメガマウスに会いたいとの思いで、帰国の途中、船が長崎に寄港したところで下船し、その足で列車に飛び乗り博多へ向かわれた。私どもは博多駅で先生を出迎え、ヨコレイまでお連れし、まずは世界初のメガマウスに対面していただくことにした。先生が博多に到着されるのは12月20日。座礁、冷凍から3週間後であったが、地元のマスコミの熱は冷めそうになく、研究会の委員長になっていただけるという仲谷先生の「追っかけ取材」が始まった。先生が長崎や博多に着く日時、列車の号数や座席番号など、質問が矢継ぎ早にかかってくる。すべて教えてしまうと長崎からずっと列車の中に同行する勢いなのである。それではJRさんや他の乗客にも迷惑をかけるので、JRさんとも相談し、列車が到着する時間の改札口で待機していただくことにした。リリースはすべての報道機関に平等に行うので、果たしてどれほどのマスコミが来るのかと思っていたら、テレビ局、新聞社はほぼすべてが改札口に陣取り「どの改札口から出る予定なのか?」とリハーサルまでする始末。駅の周辺におられた人々から「誰かすごいスターか有名人が来るのでは」と勝手に噂が広まり、野次馬まで集まってきた。それはよくある、空港でのスターが出てくるのを待っている報道陣の様相だ。仲谷先生には「報道が待っています」とお伝えはしていたが、まさかここまでとは予想だにしなかっただろう。改札を出る先生にバシャバシャとフラッシュが浴びせられ、何本ものマイクが向けられレポーターからインタビューが。見ていた野次馬たちからは「誰???」と・・・。その後あわただしくヨコレイへ、報道の車も追っかけるように並走。ヨコレイの冷凍庫は氷点下30度の極寒にも関わらず、メガマウスをご覧になって感動される仲谷先生を囲みまたインタビュー。同夜のニュースや翌朝の新聞紙面を飾った。メガマウス協奏曲はまだまだ始まったばかりなのであった。

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著者プロフィール

高田浩二(たかだ・こうじ)

1953年大分県生まれ。
1976年、大分生態水族館入社。
1988年、現職場に転職、同館の設立に携わり2004年より館長。日本動物園水族館教育研究会会長。専門は博物館教育、魚類学。
「水族館は教育機関」をモットーに、日々、社会教育機関としての水族館のあり方を追求している。

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