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Vol.40 野生動物学のすすめ

2017.5.12

2017年4月15日と16日の2日間、京都市動物園において「野生動物学のすすめ」というイベントを行いました。
2008年に「野生動物の保全に関する教育・研究の連携協定」を京都市と京都大学の間で交わしました。下の写真は、現在も京都市長の門川大作さんと、当時の京都大学総長の尾池和夫さんによる協定書の締結式の様子です。

筆者はこの年から京都大学野生動物研究センター所属のまま、毎日動物園に通う生活を始め、やがて2013年に京都市動物園に教育・研究の専門セクションである「生き物・学び・研究センター」設立時に、縁あって動物園に移り、今に至ります。

この間、連携を記念して動物園での周年イベント「野生動物学のすすめ」を開催してきました。企画は毎年変わりましたが、10年目を迎える今年は、特に力を入れて豪華なメニューを完成しました。

メインイベントは、京都大学総長である山極寿一さんの講演会。
これまでも、ゴリラ関係で何度も動物園に来ていただいた山極さんですが、今回の講演も快く引き受けてくれました。
(写真は、日本モンキーセンター(JMC)のブース前で、京都大学野生動物研究センター教授であり、JMC動物園長でもある伊谷原一さんらとの記念撮影。)

その機会に、野生のゴリラと地元の人々の活動を研究対象としている、京大大学院生の大塚亮真さんにも、彼の活動を紹介してもらいました。

1日目は、以前のVol. 22でも紹介した、植物園と水族館に加えて、2016年から京都市青少年科学センターも加わった4園館連携の事業としても位置付け、それぞれの施設からスタッフに来ていただきました。

せっかくの機会なので、それぞれの施設を紹介するワークショップを受け持ってもらいました。京都市青少年科学センターは、糸紡ぎ体験ができる『「まゆ」から糸を取り出そう』 

京都府立植物園からは、西原副園長が動物園内の植物を解説する「園内散歩」

京都水族館の下村館長は、「守れ!イチモンジタナゴ!!プロジェクト」ワークショップに参加。

この日は京都市生物多様性プランを策定した環境政策局環境管理課からもブースを出していただきました。

あいにく1日目は、午前中から雨模様となりましたが、2日目にはからりと晴れたよい天気で、園内の桜も満開で見ごろでした。

琵琶湖疏水沿いの園路の桜です。奥に見えるのは観光遊覧船。

2日目は、京都大学野生動物研究センターの教員や大学院生がそれぞれの研究対象の動物に関してワークショップを持ってくれました。

これはなにかというと、

レーザー測距計でキリンとの距離を測る体験。

こちらはチンパンジー組。「チンパンジーをじっくり観察!~みんなでチンパンジーを喜ばせよう~」

段ボール箱にいろいろ詰めてプレゼント。喜んだかな?

こちらは、ゴリラのゲンタロウの勉強している問題を体験、「ゴリラのゲンタロウに挑戦」。

小さい子から大人まで、それぞれのレベルでゴリラに挑戦!

この他にも、
野生動物研究センターの杉浦秀樹先生「動物の声を“見て”みよう」
同センターの大学院生、水野佳緒里さん「仲間とともに暮らすアジアゾウを観察してみよう」
京都市動物園の提供、「ゲノム解析実習」
京都大学大学院農学研究科の高柳敦先生「“シカになって”シカを防ぐ-柵作りにチャレンジ!-」
と、みんな魅力的なワークショップを提供していただきました。
それぞれ1組10人以下のグループで、ホンモノの野生動物の研究者と直に話ができる機会が持てる、すごく贅沢なワークショップだったと思います。体験してくれた方にはこの価値がわかっていただけたと思います。

こちらはブース出展をしていただいたNPOの方たちです。

日本モンキーセンター、ボルネオ保全トラスト・ジャパン,ポレポレ基金(POPOF)日本支部,マハレ野生動物保護協会,チンパンジー・サンクチュアリ・プロジェクトがそれぞれの活動を紹介する展示を行いました。
「野生動物学のすすめ」にご参加、ご協力いただき、ありがとうございました。

来年もまた同じ時期に行いたいと思います。お楽しみに。

著者プロフィール

田中正之 (たなか・まさゆき)

京都市動物園 生き物・学び・研究センター長
学位: 博士(理学)
著書: 田中正之「生まれ変わる動物園 -その新しい役割と楽しみ方-」化学同人選書(2013年)

1968年 神戸市生まれ(子どもの頃行った動物園は王子動物園)
1991年 大阪大学人間科学部卒業
  京都大学霊長類研究所の大学院[理学研究科霊長類学専攻(当時)]入学
1995年 同専攻博士後期課程中退。
    (財)東京都老人総合研究所に就職(東京都の職員でした)
1997年から 京都大学霊長類研究所 思考言語分野助手
2008年から 京都大学野生動物研究センター 比較認知研究部門准教授
2013年から 現職

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