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Vol.41 国際エンリッチメント会議に行ってきましたよ

2017.6.30

2017年5月15日から19日までの5日間、コロンビアの首都ボゴタ市にある、ハイメ・デュケ公園(Parque JaimeDuque)で開催された、国際エンリッチメント会議に出席し、京都市動物園での活動を発表してきました。

国際エンリッチメント会議に参加するのは、前回の北京大会に続いて2回目でした。
(前回大会のことは、本連載の第23回「動物福祉と環境エンリッチメント」で書きましたので、ご参照ください。)

さて、今回の国際エンリッチメント会議出席には、京都市動物園の活動を報告する他に、重要なミッションがありました。

それは、2年後の次回大会は、日本、しかも京都で開催することが決まっていたからです。
日本の動物園における動物福祉、環境エンリッチメントの取り組みについて、この会議の参加された各国の動物園関係者に知ってもらい、次回大会にも参加してもらおうというプロモーション活動を行うことが重要なミッションでした。
日本からの参加者は、写真の左から、京大の留学生ホスエさん、京大野生動物研究センターの山梨裕美さん、北里大学の小倉匡俊さん、私(田中)、京都市動物園の岡部光太さん、京大霊長研の綿貫宏史朗さん、日本モンキーセンターの藤森唯さんの総勢7名。
※この後、6月1日付けで、山梨裕美さんは、京都市動物園生き物・学び・研究センターの主席研究員として着任され、京都市動物園のスタッフとなりました。

大会4日目には、ICEE2019Kyotoをアピールする時間をいただきました。

ランチミーティングでお会いした、The Shape of Enrichment の主要メンバーの皆さん。
京都大会に向けてのサジェスチョンもいただきました。

ところで、せっかくめったに来れない国に来たので、そこで撮った写真もご紹介したいと思います。会場のJaimeDuque公園は、創設者のJaime Duque氏の名前のついた大きな公園でした。ちょっとリトルワールド的な「なんでもあり」的な感じもある雰囲気。

毎日会場に現れたピエロ。こういうホスピタリティは日本人にはなかなか真似できないので、京都では日本的な「おもてなし」を考えます。

公園内の動物園の様子。南米を生息地とする動物たちが、広い敷地のなかでゆったりと暮らしているように見えました。

クロクモザル

泳ぐブラジルバク。

こちらも広い運動場で飼われていたピューマ。

小高い丘の上に作られた新しいゾーンに展示されていた、コロンビアの国鳥にして、絶滅危惧種のアンデスコンドル。南米各国で繁殖の努力がなされているそうです。

そして、会議の最終日の午後には、環境エンリッチメントの実践場面への見学会が企画されていました。
実は、私以外の日本からの参加者は、この日の午後からボゴタを離れ、さらにコロンビアの野生動物を観察するツアーに出かけていきました。

会議後にすぐ帰らなければならなかった私のみ、公園にのこり、見学会に参加したのです。
さて、気を取り直して、園内見学会に参加します。
こちらはライオンの運動場にて。麻袋で作った人形に草食獣の臭いをスプレーしているところです。

こちらは、段ボールで作った草食獣の中に肉を仕込んでいます。

草食獣の敷き藁を麻袋に入れて吊るします。
みんな本職の人たちですから、こういうセッションは嬉々として取り組んでいました。

そして、ライオンを運動場に放します。思ったよりも冷静に肉を取り、放飼場内を探索していました。ちょっと期待しすぎたかもしれません(^^;

こちらはシカの運動場でのエンリッチメント。ライオンと違って、シカが居る中に入っていって作業をしていました。

見学会には、いくつかの休憩ポイントがあって、それぞれでコロンビアの地域文化の多様性を紹介してくれました。写真は、ハイメ・デュケ公園の教育スタッフの方たちだそうです。

そして、見学会のゴール地点は、フェアウェル・パーティの会場。

流石にここは南米、カーニバルの国だ!と思わせる圧倒的なエネルギーを感じたパーティでした。大盛り上がりのラストナイトでした。

カメラを向けると、しっかりポーズをとってくれたホールスタッフの方たち。
トラ縞模様ベストの方は、教育スタッフの方で、園内見学会でも活躍されていました。

さて、あっという間の、充実した5日間でしたが、残念だったのはスペイン語が公用語の国で、英語で話せる方が少なかったこと。発表会場でも、スペイン語-英語の同時通訳が常に付いていて、こちらの国の人に英語で話しかけても、ほとんど通じず、英語が話せるスタッフを呼びに行かれてしまいました。京都大会は英語を公用語にして運営することになりますが、外国人ゲストにどこまで対応できるか。2年後までの宿題になりそうです。

著者プロフィール

田中正之 (たなか・まさゆき)

京都市動物園 生き物・学び・研究センター長
学位: 博士(理学)
著書: 田中正之「生まれ変わる動物園 -その新しい役割と楽しみ方-」化学同人選書(2013年)

1968年 神戸市生まれ(子どもの頃行った動物園は王子動物園)
1991年 大阪大学人間科学部卒業
  京都大学霊長類研究所の大学院[理学研究科霊長類学専攻(当時)]入学
1995年 同専攻博士後期課程中退。
    (財)東京都老人総合研究所に就職(東京都の職員でした)
1997年から 京都大学霊長類研究所 思考言語分野助手
2008年から 京都大学野生動物研究センター 比較認知研究部門准教授
2013年から 現職

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