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Vol.5 アオコブホウカンチョウの繁殖

2018.7.28

前回ご紹介しました南米コロンビアに住む珍鳥アオコブホウカンチョウ、今回はその繁殖についてお話させて頂きます。

このコラムを書きながら、先日のワールドカップのコロンビア戦の勝利を思い出し、改めて喜んでしまっています・・

と、それはさておきネオパークオキナワで現在飼育されているアオコブホウカンチョウのうち、オス2羽は今から12年前の5月2日と8月15日に以前飼育されていた同じペアから生まれた兄弟です。

日本で唯一飼育されていたアオコブホウカンチョウの両親、から誕生した雛ですので、日本での繁殖も初となりました。

日本での繁殖例が無いと言うことは、育雛例も無かった為、当時の飼育員さんたちはとても大変な中、大切に育て、2羽は順調に成長していったそうです。

雛たちはりっぱに成長しましたが、ここで問題が生じてしまいます。日本ではネオパークオキナワにしかいないと言うことは、子の先、2羽が新たな命を繋ぐと言うことが日本国内だけでは難しいと言うことでもあります。

そこでアメリカに本部を持つ野生生物保全協会に在籍される本田さんに、アメリカでアオコブホウカンチョウの繁殖プログラムをまとめられているクリスホームズさんとの仲立ちをしていただき、日本動物園協会の協力もあり、3年前にヒューストン動物園かネオパークオキナワにいるオスのペア候補としてメスがやってきました。

やってきたメスを3部屋の続きの真ん中の部屋に入ってもらい、両サイドにオス1羽づつが入室し、お見合いを始めました。

オスたちにとっては両親以外のアオコブホウカンチョウを見たことが無く、やってきたメスのアオコブホウカンチョウにどんな反応を示すのか、飼育担当も興味深く観察をしていました。

メスが先に興味を示したのは長男(先に生まれたオス)でした。
長男は気が強く、時に気に入らないと飼育担当にも威嚇をする様な性格で、メスはそんな男らしい性格を気に入ったのか??と思われました。

その後もしばらくお見合いを続けていましたが引っ込み思案の次男はメスの部屋から1番遠い止まり木に止まっている事が多くメスも次男の部屋にはあまり興味を示していませんでした。

そこで飼育担当は長男ペアを組ませる事に決め、繁殖時期に向けて部屋の間仕切りを開け同居を試みました。

お互い興味を示していましたので上手く行くのではという淡い期待はむなしく、距離は縮まるどころか長男はメスが餌を食べようとすると追い立て、時に餌が無いときにも追い回す事もでてきました。
さらにアオコブホウカンチョウはペアになると求愛給餌と言われる嘴渡しで餌を分け与える行動をするのですが事もあろうに、飼育担当へしきりにその行動を行い始めてしまいました。

そんなこともあり、残念ながら1年目のシーズンは繁殖を諦めペアを解消することとなりました。

飼育担当にとってもオスのアオコブホウカンチョウにとっても始めての経験で上手く行きませんでしたが、絶滅危機具されているアオコブホウカンチョウの命を繋ぐ為、翌年からも頑張ろうと気持ちを新たにしました。

2年目からのアオコブホウカンチョウたちの様子はまた次回お伝えさせて頂ければと思います。

著者プロフィール

土井 晃(どい・あきら)

脱サラ飼育員
ネオパークオキナワでの飼育員になるべく沖縄へ来て10年!!
大好きな鳥や動物たちに囲まれ、動物たちの魅力を伝えられるよう奮闘中!!

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