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Vol.3『世界ナマケモノの日』

2019.12.19

南国高知もマフラーが手放せない今日この頃。ナマケモノの展示場が冷えぬよう、温度調整に勤しむ担当です。今回は、先日作った「のいちのナマケモノすごろく」という表示物について。
去る10月20日(かなり前ですが)は世界ナマケモノの日でした。
当園ではレッサーパンダの日やテナガザルの日のイベントが毎年実施されています。そこで軽い気持ちで「ナマケモノの日もあるのでは」と調べ、本当にあることを知ったのが今年5月。ちょうど担当動物の計画書を出す時期で、新規に何をするか話し合う段だったので、慌てて調べたという体たらくでした。結局ナマケモノの日の存在に気づいた初年は、大々的な告知を行わず、新しい表示物を設置するのみの小規模なものに収めました。発案時は何を出すかもあまり深く考えていないといういい加減さでしたが、やるからにはそれなりに反応が見られるものにしたいと思い、懸命に頭をひねりました。そこで来園者の記憶に少しでも爪痕を残すべく、体験型の表示「のいちナマケモノすごろく」を考案しました。
これは当園に初めてナマケモノが来園してから現在にいたる略史と、今年生まれの子ども「ハク」の成長記録をすごろく形式で学びながら遊ぶというものです。

今回作った「のいちナマケモノすごろく」。

これを製作する過程で、今まで詳しく知らなかったのいちのナマケモノの歴史や、歴代の個体の詳細についてかなり勉強になりました。このナマケモノの日の表示を通して最もナマケモノについて知ることになったのは、他ならぬ私だったかもしれません。
のいちのナマケモノ飼育は1994年、1995年のジャングルミュージアムのオープンに向けガイアナからワイルド個体が来園するところから始まります。1996年、今や当園の繁殖に大きく貢献している父アミーゴが来園。2001年、キュウの前にペアだったメスとの間に当園初の子どもが誕生します。2010年にキュウが来園、2012年にアミーゴとペアとなり、現在に至るまでに4頭の子どもが生まれました。製作したすごろくにはこんなのいちのナマケモノ史に加え、今年生まれの子ども「ハク」の成長記録も載せています。
さて、渾身のすごろくに対する来園者の反応はというと…正直思っていた以上に素通り。ありゃ、残念。やはり足を止めてもらうのはかなり難しいようです。ただそんな中でも、若干名ですが立ち止まって目を通してくれる来園者もいました。どうぞ存分に遊んでやってください。

立ち止まってご家族で読んでくれていました。感謝。

努力の結晶をあっさりスルーされ悲しむ担当でしたが、珍しく顔がしっかり見える位置にいたハクたちが来園者の心を鷲掴みにしていたので、ナマケモノの良さが伝わったのであれば良しとしましょう。
最後に、突然ですがニュースです。ナマケモノのハクの性別は不明としてきましたが、この度正式にDNA判定を行った結果、メスであることが分かりました。いつかどこかへお嫁に行くことになるでしょう。引き続き温かく成長を見守っていただきたいと思います。

確実に成長していますが、まだ

著者プロフィール

隈田夏子(くまた・なつこ)

神奈川県出身
実家で毛や羽のある動物の飼育を禁止されていた反動で、中高では生物部に入部。外国産カブトムシの飼育や、学校敷地内の野生タヌキの調査に夢中になる。
2018年に東京農工大学農学部地域生態システム学科を卒業、高知県立のいち動物公園で勤務を開始。
現在フタユビナマケモノをはじめアカハナグマ、オニオオハシなどを担当。

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