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ザトウクジラの棲む海

2011.12.28

10年前の夏、長い間夢見ていた南東アラスカの旅がやっと実現し、友人のボートで深い原生林に囲まれた内海にザトウクジラを探しました。

 

 

冬の間は、出産や子育てのために南の暖かい海で過ごすザトウクジラ。夏になると豊富な食料を求めて、数千キロもの旅を経てアラスカの海へやってきます。

 

 

雨の多い南東アラスカには珍しく快晴の朝、州都のジュノーを出発し、鏡のように凪いだ海を進みます。途中、イルカの群れ、トドで埋め尽くされた小島、ハクトウワシやツノメドリなど、様々な海鳥や動物たちに出会いました。

 

 

しばらくして“プシュー”というクジラの吐息が聞こえると、ボートのすぐ傍で背ビレが見え、時には3~4頭がゆったりとボートの横を泳いでいきました。辺りを見回すと、遥か彼方でジャンプしているもの、尾ビレを上げて潜っていくもの、潮を吹きながら泳いでいるもの……、たくさんのクジラの姿が視界に入ってきました。あれだけ大きなクジラが小さく見える広大な海に、そしてそれをとりまく自然の奥深さにただただ圧倒されました。

 

 

日常生活とは別の、ゆったりとした自然の時間の流れに身を任せていると、今、ここに生かされている命の不思議さ、尊さに気付かされます。

 

著者プロフィール

星野直子(ほしの・なおこ)

1969年生まれ。
短期大学卒業後、書店勤務。
1993年星野道夫と結婚しアラスカに暮らす
1996年カムチャツカ半島にてヒグマの事故により夫が逝去
2000年星野道夫事務所を設立し、作品の管理を務める。

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