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Vol.17 海響館初誕生!イワトビペンギンのヒナがふ化しました!

2014.7.21

ペンギン村オープン5年目にして、海響館で初めてとなるイワトビペンギンのヒナがふ化しました!親の「ジャイロ(♀)」と「ディオ(♂)」がしっかりと子育てを行い、順調に育っています。今回はそのヒナ誕生までの道のりについてお伝えしたいと思います。
最初に産卵があったのは2年前。この時産卵したのもジャイロでした。ペンギン村ではそれまでにも2度の繁殖期を迎えていましたが、産卵はなかったので、やっと産卵された卵に海響館初のイワトビペンギンのヒナ誕生の期待が高まりました。しかし、検査の結果最初の産卵は残念ながら無精卵でした。

2012年 海響館で初めて産卵したイワトビペンギンの「ジャイロ(左)」

そして翌年、この年もジャイロが私たちの期待通り産卵しました。「今回こそは有精卵を」と期待を込め、毎日卵の様子を見守りましたが、この年も残念ながら無精卵でした。無精卵であった原因としては、この年にジャイロのペアの相手が変わり、2羽の絆がまだ強くならないまま繁殖期に入ってしまったからだと思われました。ということは、このままペアが変わらなければ、次の繁殖はうまくいくかもしれません。
そして今年、ペアは前年と変わらず、行動を観察していても、2羽の絆がつよくなっているのが明らかでした。「これなら今年こそは!」と私たち飼育スタッフの期待は高まったのです。

そして、待ちに待ったジャイロの産卵がありました。2年連続無精卵だったので「3度目の正直」と願うような気持ちで卵を検査すると…卵の中に血管が広がり胚も見られました。見事に有精卵です。

2年越しの思いがやっと届きました。けれど、まだ安心してはいられません。無事にヒナがふ化・成長するまで、しっかり見守っていかなければなりません。
産卵後ジャイロとペアのディオは交代で卵を大切に温め続けました。定期的な卵の検査で順調に卵が発生していることも確認し、ふ化予定日が徐々に近づいてきました。
そして産卵から32日目(2014年5月27日)、卵に小さな穴が開き、そこからくちばしが動くのが見えました。ヒナが卵の中から出ようと殻を割り始めたのです。(これをはしうちと呼びます)。

やがて卵は半分に割れ、もう一息で卵から出てこられそうです。

卵からのぞくヒナの足

そして5月28日の夕方、無事に卵からヒナが出てきました。待望のイワトビペンギンのヒナの誕生です。この日を長く待ち望んでいたスタッフ一同、喜びもひとしおです。
早速体重を測りますが、ヒナの体は手のひらにおさまる程の小さな体です。ヒナを取り上げるのにドキドキします。体重は75g、体のチェックをしても問題ありませんでした。

卵から出てきたばかりのヒナ

ふ化したヒナはこんなに小さい体です


その後もディオとジャイロはしっかり子育てを行い、ヒナは日々順調に成長しています。イワトビペンギンのヒナの成長の様子についてはまた次回お伝えします。

著者プロフィール

森本 大介(もりもと・だいすけ)

1985年奈良県生まれ。
2008年広島大学生物生産学部を卒業後、下関市立しものせき水族館「海響館」に勤務、ペンギン担当となる。2010年から2017年3月まで公益社団法人日本動物園水族館協会のマカロニペンギン個体群管理者を務めた。

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