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Vol.11 チュウゴクワニトカゲの繁殖

2023.1.10

皆さんこんにちは!今回はチュウゴクワニトカゲについてご紹介したいと思います。ワニなのかトカゲなのか紛らわしい名前ですが、ワニのように水辺で暮らすトカゲのなかまです。

ワニのようにゴツゴツしています

野生では中国南部やベトナム北部の山間部の渓流に暮らしています。ワニのように水中での生活を得意としているところや縦に扁平な尾がワニの尾に似ていることからこの名前がつきました。飼育していると噛む力が強いところもワニに似ているなと感じます。あまりメジャーな動物ではありませんが、野生では生息地の開発やペット目的の捕獲のために個体数が減少しており、IUCNのレッドリストでは絶滅危惧種(EN)に指定されています。また、本種のみでワニトカゲ科ワニトカゲ属を構成し、他のトカゲと比べると少し変わったトカゲです。今回は当園が取り組んでいる、チュウゴクワニトカゲの繁殖についてお話します。

一般的にトカゲをはじめとする爬虫類は卵で生まれてきますが、爬虫類の約20%の種は卵胎生と呼ばれる特殊な方法で繁殖し、チュウゴクワニトカゲもこれに該当します。卵胎生は母親のおなかの中で孵化したこどもを出産する繁殖方法です。卵胎生のトカゲでは、おなかの中の卵は一般的にイメージされる厚い卵殻ではなく、薄い膜になっており、その中でこどもは育ちます。
当園では、毎年12~2月頃にかけて出産が始まるため、今年もおなかの大きくなったお母さんトカゲたちは展示場からバックヤードに移動して出産の準備期間に入りました。他の個体と比べるとあまりにもおなかが大きいのでびっくりします。

おなかが大きくなった妊娠個体

先日、おなかに何匹のこどもがいるのか確認するためにレントゲンを撮影しました。

妊娠個体のレントゲン写真

なんと2匹のお母さんトカゲにそれぞれ5匹、6匹以上のこどもを確認することができました(多すぎて正確な数はわかりませんでした)。こどもをよく見てみると、頭骨から1本の脊椎が伸びて丸まった体勢でおなかの中にいるのがわかります。これが卵の膜に包まれた状態なのでしょう。

仔トカゲ拡大

お母さんトカゲのパンパンのおなかにこれほどぎゅうぎゅうにこどもが詰まっているのには驚きました。この仔トカゲたちがいつ、何匹おなかから出てくるのか楽しみですが、この続きは次回ご紹介したいと思います。

著者プロフィール

小川 由貴(おがわ・ゆき)

1989年島根県出身。
2016年から仙台市八木山動物公園で勤務。
現在は、爬虫類・シマウマなどを担当して1年目。

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