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Vol.1 神の鳥、ライチョウ

2021.2.8

 新しくライチョウをテーマにコラムを書かせていただきますので、よろしくお願いいたします。今回は自己紹介的になりますが、20代初め頃から立山でライチョウを撮り始めました。最初の立山登山では、一回でも撮影出来れば満足と思い撮影に向かったのですが、初めての立山で簡単にライチョウを撮れてしまったことで気分を良くしてしまい、気が付けばあれからもう35年経過した昨年も何度ライチョウを求めて立山に登ったことか。

ライチョウの雛の可愛らしさに魅せられて夢中になったものだ。

 ライチョウの知名度が少しだけ上がったのは、最近になり動物園での飼育展示が進み一般の人々の目に触れる機会が増えたことが最大の要因で、その動物園関係の功績は非常に大きいと感じています。それまではライチョウという名前も姿も知られていないのが当たり前の状況だったのですから。

微笑ましい親子の光景でもあるが、真っ白に見えるのはハイマツの立ち枯れである。
人と自然との共存、地球環境の変化とライチョウの生息域の保全。これは実はかなり難しい問題なのである。

 かつてからライチョウは珍しいとされて一部のファンが存在した程度でした。私もその一人に過ぎなかったのです。当時からもちろん保護の必要性も高山の自然環境問題も一部で語られるものの、何分マイナーな鳥ゆえにそのことが大きな社会問題や社会現象を巻き起こすようなことにはなりませんでした。ライチョウ問題のみならず、当然温暖化の問題も30年以上前から語られてはいたのですが、当時温暖化の対策に対して世間では「時代に逆行して非現実的」というのが一般論みたいに語られ、さらには温暖化自体問題視されていないのが現実でした。何分、バブル景気に浮かれていた時代に人々は浮かれていた時代であったのですから。

氷河期の生き残りのライチョウは現在最も寒冷な山頂付近で暮らしている。温暖化により餌の高山植物が絶滅の道を歩み、同時に彼らライチョウの存続も厳しいと言われている。

 時は流れて、温暖化もようやく一般に語られて問題意識が浸透するとともに、徐々にライチョウもクローズアップされてきたのが最近といったところかもしれません。そこから一気に進んでいったライチョウの動物園での飼育と展示でした。
 いま、ライチョウというと知名度的には動物園派と野生派に分かれそうです。登山とは縁はないがライチョウを知るというファン、かつてから登山をしていてライチョウのファンである人。このコラムがどちらのライチョウファン層にも読んで頂けることで、さらにライチョウの魅力が深まり、ライチョウの知名度アップになればと思います。ライチョウの知名度が上がりライチョウのファンが増える事。今はこれがライチョウ保護にとても大切ではないかと思います。静かにひっそり絶滅に向かうことだけは避けなければなりません。

夜明け前に現われた雌のライチョウ。人々に感動を与えるこの鳥を守らねばならない。

著者プロフィール

森勝彦(もり・かつひこ) 雷鳥写真家

22歳でライチョウに魅せられて以後断続的にライチョウを撮影する。
発表媒体は写真集・TV・新聞・雑誌など幅広い。
写真展は過去20か所以上全国規模で開催。
書籍等では、奇跡の鳥ライチョウ(山と溪谷社)・ライチョウ愛情物語~ぼく、負けないよ~(パレード)日本の天然記念物ライチョウ(小学館)などで発表。

HP:ライチョウの小屋
https://www.raicyo-lodge.com/

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