ふと、思い立って神社にライチョウを探しに行ったのでした。
事の発端は、ネットを見ていると身近な神社にライチョウが描かれているとの記事を見つけたからなのです。地元石川県の白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)には、奉納の御神馬の鞍に雷鳥が描かれていることは良く知っていたのです。雷鳥は日本三霊山の一つ白山にもかつては生息しており、白山の神様が司る山頂付近に生息していたことから、神の山の神の鳥として雷鳥を守るべきと数百年前から保護されてきた歴史があります。そのことから御神馬に雷鳥が描かれていても何ら不思議では無いのです。実際にその鞍をよく見ると雷鳥の他、くろゆり、はくさんしゃくなげ、きぬがさそうなど、白山を象徴するデザインとなっており、白山や雷鳥の環境を大切にしてきたことが理解できて素晴らしい御神馬です。 解説文にもはっきり雷鳥と書かれており間違いなく雷鳥なのです。

御神馬の鞍に高山植物や雷鳥が描かれている。

御神馬に神の鳥雷鳥、古くから神の鳥として崇められてきた歴史がここに現われている。
不思議な伝説があり1857年に出された文献に、二つの頭を持つ鳥が白山に現れ、「疫病が流行るが、自分の姿が厄除けになる」とその鳥が話した。と書かれているのです。最近神社がその文献を知り、「無病息災祈願」の絵馬札に活用したとのことでした。古い文献に「又頭の神鳴る鳥」と書かれてあり、この神鳴るが雷を表していれば、雷は雷神と古くから言われていますので、それは神の鳥の事なのかとの憶測も出てきます。また、神鳴るが、「神成る」は「神の化身」の意味かもとも思いました。神の鳥伝説はとても深そうです。
ところで、雷鳥の名前の由来ですが、諸説あり過ぎて判明しないのです。元々自分は悪天候で活動する習性から雷の鳥。雷鳥が現れる時は悪天候が多いという事実からの命名との説を信じていました。しかし、今回の絵馬の件で違うと直感で思ったのです。というのは、雷とは雷神だと言われており、神の鳥という意味から雷鳥になったと感じます。神鳴る鳥という表し方に秘密が隠されているとすれば、双頭の鳥、それは雷鳥なのかもしれません。雷鳥にまつわる神の鳥伝説はロマンに溢れています。

先日訪れた富山市ファミリーパークの雌(上)と雄(下)。下界ではそんな神秘性も感じ難いですが、野生のライチョウには神を感じます。