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白黒はっきり

2012.10.22

いきなりですが、抜き打ちテストです。こう言うと、学校では生徒から大ブーイングです。でも、やります。

第一問。ペンギンの色は?「白と黒。」正解。

では、つばさの裏側は?ノドは?ワキの下は?股のあたりは?この辺りになるとちょっと、不安になるかもしれませんね。実は僕もよく分かっていませんでした。見ているということと観察しているということは少し違うのかもしれませんね。

南極の昭和基地の近く(といっても、彼らが主に生活しているのは20kmも離れたところですが)で見ることができるペンギンはアデリーペンギンという種類です。立ち上がった状態で60cmくらいの、歩きが達者なペンギンです。アデリーペンギンは歩くのも得意ですが、もちろん泳ぐのは大の得意。そんな彼らは水遊びもよくします。その様子を見ていたら、ビックリしました。「変な生物がいる!」

3枚目の写真。真っ黒なこの生き物は何っ?

何って、ペンギンなんですよね。でも、最初は驚きました。ペンギンの白黒って水に浮かんだ時、全部が黒くなるように塗り分けられているんですね。ということは、逆に水中から見上げたら、全部がまっ白になっているのでしょう。これはきっとペンギンの生活で何か意味があるはずです。だって、塗り分け方が徹底しているんですもん。

ここでテストの続き。
足の裏は何色だと思いますか?

答えはこのページの一番下。ね、徹底しているでしょ。泳ぐ時に上を向く、足の裏側はきちんと黒色になっているのです。

一説には海面に浮かぶ時、海中から見上げる恐ろしいシャチに見つかりにくいようにするため、といいます。海面は白く光って見えますからね。そして水面にでている体も、上から見ると黒く見える海面に、うまく溶け込むはずだといいます。つまり保護色ですね。また、別の人は白黒模様を使って獲物の魚を脅かすんだといいます。本当のところはどうなんでしょうね。でも、きっと何か意味があるはず。ぜひ、誰か解明して教えてください。

今回の旅で、すっかり私はペンギンのファンになってしまいました。日本でも野生のペンギンが見られたら良いのに。そう思っていたら、とてもすてきな情報が!日本にもいるというのです!場所は北海道の天売(てうり)島!

大急ぎで行ってみました。そうしたら、ニセ情報でした。がっくり。ウミガラスという全然、違う仲間の鳥でした。でも、でも、です。よく似ていませんか、白黒具合が。ウミガラスは飛ぶことができますが、泳ぐ方がずっと上手な鳥です。海に潜って魚を捕る暮らしをしています。なんだかペンギンに生活の仕方が似ていますね。

同じような環境で同じような生き方をする動物は、姿形が似通ってくるようです。これを進化に関する難しい言葉で「収れん進化」といいます。

例えばイルカは「ほ乳類」ですが、「魚類」のサメに形が似ていますね。どちらも水中をスイスイ泳ぐ生活をするため、形が似てきたと考えられます。ついでにいうと、人間が作った潜水艦も形が似ているような気がします。

北海道海鳥センターにあるウミガラスの模型

生き物の形は、生きるための工夫のあらわれなのですね。すごいなぁ。今度、動物園に行ったら、「形」に注目したいと思います。全然違う種類の動物なのに似ている、というところはないかしら、近い種類なのに形が違っている部分はどこかしら。

あ、テストの採点は写真を見て各自でやってくださいね。つばさの裏側の正解が分からない?それは、動物園にいってのお楽しみ。


著者プロフィール

酒井誠至(さかい・せいじ)

東京生まれ
趣味 乗馬
 住宅事情によりペットが飼えなかった反動で、野山の生き物好きになりました。専門的な知識はないけれども、星空を眺めたり野山を散歩したりと自然を感じられる生活を送りたいと思っています。
 北の大地に憧れ北海道立高校の理科教員となり、現在は北海道登別明日(あけび)中等教育学校に勤務しています。
 第52次日本南極地域観測隊夏隊(2010年11月出発)に同行し、見てきたことをこのHPでお伝えしたいと思っています。 

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