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地球は丸い

2012.6.11

しばらく連載をお休みさせて頂いていました。ごめんなさい。再開していきなり日向ぼっこの写真で、重ね重ねごめんなさい。でも、今回は日向ぼっこのお話がしたいのです。暖かく昼寝ができるかどうか、重大な問題でしょ。そうでもない?いやいや、ここから地球の科学です。地球儀がお家にあったらぜひ、持ってきてください。


で、肝心の太陽ですが、ボクはひどく南極で悩まされました。自分では方向感覚が優れている方だと思っていたのに、地図がちっとも読めない。なぜだろう?そう考えていたら、ハタと思いあたりました。太陽の動きがおかしい!太陽が沈もうとする様子を連続撮影しました。順番は間違っていませんが、動きが逆に見えます。東から昇って西に沈むのは同じです。北の空を通って西の空に向かうところが日本と逆なのです。地球が丸いことにカギが隠れているようですが、うーん、頭がごちゃごちゃする。

そうだ、こんな時は方位磁石に頼ろう。方位磁石はどっちに南極があるか教えてくれるんですもんね。あれ?じゃあ、南極に立っていたら?ここで問題です。方位磁石はどこを指すんだろう。答えの写真はこのページの一番下。きちんと予想してから、最後に見てくださいね。

さてさて。南極の太陽は他にも私たちに変わったものを見せてくれます。写真は昭和基地の太陽電池のパネル。立て方がちょっと変わっていると思いませんか、みなさんのご近所と比べて。ずいぶんと「起立」しているようです。なぜでしょう。


南極と北極では日の出のあと、太陽は水平線近くを移動していくことになります。赤道の地域でお昼に頭の真上から太陽が照りつけるのとは対照的ですね。だから、南極では太陽の光をしっかり受け止めるため、パネルが「起立」しているのです。もし、日本のように寝そべっていたのでは、太陽の光はその上を素通りしてしまうのですね。

ちょっとまって。じゃあ、日向ぼっこはどうなるの?

そう、暖かくないのです。南極で太陽の光をたくさん浴びたかったら、日向ぼっこは「起立、気をつけ」でやります。ちっとも楽しくない!

このことは地球儀を見ながら考えると分かりやすいかもしれません。地面にしっかり光が当たる赤道と、光の大半が上空を素通りする極地域。なぜ、極地域が寒いのか分かってきますね。

それもこれも地球が丸いから。では、もう一つ問題。日本で見るお月様と南極でみるお月様。違いはあるのでしょうか。三択、いきます。①変わらない、②さかさま、③見ることができない。また、予想をしてください。日本列島に立つあなたと南極のペンギン。地球の丸さがヒントです。答えは、このページの一番下。

話は変わりますが、ボクは理科の先生をしています。今までもこれらのことは授業で取り上げてきました。もちろん、よく知っている事実でした。でも、自分が南極大陸に立ち、太陽の動きにうろたえて、日向ぼっこで寒くなって、そうやって初めてこれらのことが「判った」ように感じられました。地球は丸いんだな、今自分は「地球の反対側」にいるんだなということを実感できました。自分で体験することの大切さをしみじみ感じたものです。そういえば、先日の金環食。お月様の存在を実感できるような、そんな貴重な出来事でしたよね。自分の五感でしっかり感じ取ること。大切だなぁ。ボクの授業もがんばらなきゃ。今週末は動物園で、しっかり観察するところからやり直そうかしら。


最後に太陽がボクにくれたプレゼントを2つ紹介します。一つはオーロラ。これも太陽のおかげです。星空が広がっているので雲とはちがう。不思議な輝きでした。もう一つはグリーンフラッシュ。夕日が緑色になっているのが分かるかしら。大気が澄んでいて、安定しているとき、まれに見られる現象です。見た人に幸運が訪れるといいますから、これを読んでくれた人に幸運のお裾分けです。


磁石は「ここが南極だよ」と下を指します

著者プロフィール

酒井誠至(さかい・せいじ)

東京生まれ
趣味 乗馬
 住宅事情によりペットが飼えなかった反動で、野山の生き物好きになりました。専門的な知識はないけれども、星空を眺めたり野山を散歩したりと自然を感じられる生活を送りたいと思っています。
 北の大地に憧れ北海道立高校の理科教員となり、現在は北海道登別明日(あけび)中等教育学校に勤務しています。
 第52次日本南極地域観測隊夏隊(2010年11月出発)に同行し、見てきたことをこのHPでお伝えしたいと思っています。 

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