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ゾウ会議に参加してきました。

2011.11.14

大きな体につぶらな瞳、長い鼻、大きな耳・・・気は優しくて力持ち。ディズニーに登場するダンボも可愛いですよね。皆さんにとってのゾウさんはそんなイメージかな?

動物園のゾウは、ライオンやトラなどの猛獣たちと違って人間が直接ふれあいながら飼育管理することがあります。とべ動物園のゾウたちも日頃からコミュニケーションをとり人間との信頼関係を築きながら飼育管理しています。そのようにある程度飼育担当者や人間に慣らしておくことで、健康診断や病気や怪我の治療が日頃からやりやすくなり、出産や育児の手伝いも可能になるのです。

 

 

ゾウは認知能力もあり、知能が高い動物と云われています。そして、人間と同じようにいろいろなことを考えています。ゾウにはゾウの考え方や社会があり、当然ルールがあります。動物園で生活しているゾウたちにも彼らなりの考えがあることでしょう。飼育担当している人間たちがゾウたちの考えや気持ちやルールに全く気づかず、あるいは無視して接すれば、大きな事故につながる可能性もあります。パワーゲームでは私たち人間は絶対ゾウにはかないません。そして、毎年のように世界のどこかの動物園やキャンプで飼育担当者がゾウによる事故に遭っています。それは小さなものから命を落とす大事故に及ぶものまで・・・。

(社)日本動物園水族館協会はゾウによる事故を無くすことや研究報告・飼育技術の向上などを目的として毎年1回「ゾウ会議」を開催しております。今年は(財)沖縄こども未来ゾーンにおいて第21回全国ゾウ会議が開催されました。

 

 

ゾウ会議には飼育担当者だけではなく、園長や飼育課長などの管理者も参加します。これはゾウと飼育担当者の危険防止の観点から動物園を管理する立場の方々にも現状を把握してもらうためです。

今年の会議でも、危険防止や安全管理についてはもちろんですが、幅広い話題が活発に話し合われました。当園からは、岐阜大学と共同で「アフリカゾウにおける排卵周期の特定とLHの測定」と題して報告してきました。これは血中プロジェステロンや黄体形成ホルモン(LH (luteinizing hormone))の測定を実施して卵巣周期と排卵周期を把握するものです。検査することでゾウたちが同居するタイミングや人工授精を施術する際の発情や排卵を化学的に知りえる方法の一つとし、排卵期特定キットの有効性を試みた結果とオスゾウの繁殖行動との関係を検証したものです。

今回の会議では他にも様々な研究報告や意見交換があり、とても有意義なものでした。

明日のゾウ飼育についてはどうあるべきか?ゾウの福祉はどのようなものか?これからもゾウに携わるうえで参考にさせていただき、当園のゾウたちと向き合いたいと思います。

著者プロフィール

椎名修(しいな・おさむ)

1962年3月群馬県出身。
『ばくの動物園日記』に登場する西山登志男さんにあこがれる。
群馬県サファリパーク、姫路セントラルパークにてアフリカゾウの飼育を経験をへて愛媛県とべ動物園に勤務。
ソロモンの指環を求めて現在に至る。

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