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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.5 動物たちのごはん

2012.6.20

私たちが動物園にて飼育する野生動物たちには、自然界で採餌している多種多様なものを与えることは難しく、代用食を与えているのはご存知の通りです。

食べている種類がわかっても取り揃えるのは到底無理です・・・しかし栄養素を給餌することによりある程度健康を維持することは可能になるはずです。

 

 

しかし、野生動物たちにペットフードのように単純な栄養素を給餌しても心身など良い状態で管理には不適切な場合も認められます。多くの野生動物は採餌行動に多くの時間を費やすために、単純な給餌では探索行動に費やす時間が余暇となり、常同的行動が発現してしまい異常行動に発展してしまう可能性もあります。

 

 

ゾウなどは広い行動圏をもち雨期や乾期など移動しながら採餌を繰り返します。

当然広いサバンナでは植物相も違えば季節により摂取する草木・・そして栄養価の違う草木を採餌することにより健康を保っているのです。

 

 

動物園で与える飼料は限られています。大食漢のゾウですから経済的なことも考慮しながら、年間を通じての安定供給をしなければ健康の維持できません。通常与えられる飼料は干草・果物・根菜などと健康補助飼料のペレット類や添加剤などですが、当園ではその他に生草や草木の給餌が多くの割合を占めています。

 

 

契約栽培である牧草のイタリアンやソルガム他に、山に自生している樫の木や竹、河川に生えている葦などを四季折々に年間を通じ与えています。

歯の交換が特殊なゾウには、樹木の太い枝や竹なども有であり、咀嚼に時間を要し遊びながら食べることができ環境エンリッチメントにも通じます。それは探索行動の再現や採食時間に時間を費やすことにより常同行動の軽減にもつながります。

 

 

飼育下の動物たちは自由に餌を選び採食すことはできません。飼育担当者の私たちが動物の気持ちになり給餌内容を検討し与える責務もあります。それは物言わぬ動物たちの健康を保つためにも・・。

著者プロフィール

椎名修(しいな・おさむ)

1962年3月群馬県出身。
『ばくの動物園日記』に登場する西山登志男さんにあこがれる。
群馬県サファリパーク、姫路セントラルパークにてアフリカゾウの飼育を経験をへて愛媛県とべ動物園に勤務。
ソロモンの指環を求めて現在に至る。

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