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Vol.4 アフリカゾウのペアリング

2012.3.27

現在アフリカゾウは国内の動物園において23園にてオス8頭メス38頭合計46頭が飼育されています。そして、この10年の間に誕生し無事に育っているのは、盛岡市動物園のマオ(多摩動物園‘02年6月)当園の媛(‘06年11月)そして砥夢(‘09年3月)の3頭しかいません。このような繁殖率の低さと海外からの新規導入が認められないことから飼育下のゾウも少子高齢化が進みこのままでは国内の動物園からゾウがいなくなることも懸念されています。

 

 

また、繁殖能力が確認されているオスアフリカゾウは盛岡市動物園のタロウと当園のアフの2頭だけです。このような状況下、仙台市八木山動物園では人工授精の基礎研究であるオスゾウからの採精について研究が進められています。また、広島市安佐動物公園において姫路セントラルパーク生まれのオス「貴」と2度の繁殖経験があるメス「愛」のペアリングを行っておりますので今後の動向を見守りたいところです

 

 

当園では過去の繁殖実績を基に現在繁殖計画を進めています。一般的にゾウの繁殖サイクルは5~6年間隔といわれ、国内の飼育状況を考慮し計画的に作業を進めています。2009年に誕生した「砥夢」も3歳になり、離乳や搬出など移動が可能な年齢達することや前回報告した排卵時期特定の調査も終了し基礎データーも集めることができましたので、再度ペアリングを行いました。当園のメス個体リカの発情周期は16週であることは過去の血液性ホルモン検査から把握はしていますので、排卵時期を特定しオスゾウの反応を見据えてペアリングを実施し2度の交尾を確認することが出来ました。このペアリングも親子4頭同居状態にて実施しました。確実な発情のためメス個体が逃避行動に出ることもなく仔ゾウを脇に置いてペアリング・交尾が行われました。媛や砥夢は若干興奮した様子も観察されましたが巻き込まれるようなトラブルも認められず成獣の繁殖行動を目の当たりにしていました。本来はこのような状況下で仔ゾウたちは繁殖を学び成長していきます。オスの仔はメスの発情を肌で感じ大人になり、メスの仔は妊娠・出産・育児と群れの中で学び成長します。私自身そのような状況を動物園で再現できないかと夢見て止みません。あと数年後には「媛」に春機発動が認められます。大人になった媛とファミリーを今から楽しみにしています。

 

 

著者プロフィール

椎名修(しいな・おさむ)

1962年3月群馬県出身。
『ばくの動物園日記』に登場する西山登志男さんにあこがれる。
群馬県サファリパーク、姫路セントラルパークにてアフリカゾウの飼育を経験をへて愛媛県とべ動物園に勤務。
ソロモンの指環を求めて現在に至る。

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