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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.4 男の子!!

2015.8.11

ある日のお昼前の子ゾウたちの様子です。
子ゾウたちの写真を撮りたくて、ゾウ舎のパドックからシャッターチャンスをねらっていると…
私に気づいた夏美ブンニュンが近づいてきました。「なんかもらえるの~?ね~え、ね~え」
「ほら、見て!こんなこともできるよ!ね~え、見て見て!だからなんかちょ~だい!」

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そんな様子に気が付いた冬美トンクンもやってきて、2頭でなんかちょ~だいアピールです。

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冬美トンクンは何ももらえないとわかると去っていきました…

そしてそこにやってきたのが、オスの秋都トンカム。
まずは私に向かって得意のアピール。「ほらほら、おっきいでしょ。強そうでしょ。だからなんかよこせ~」

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そこから、さらに隣にいた夏美ブンニュンにちょっかいをかけ始めました。頭の上に鼻を乗せ、牙でぐいぐい押します。「僕の方が強いんだからね」といわんばかりです。

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さらに頭を上げて夏美ブンニュンを押したり…

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牙も使ってぐいぐい…「ほらほら、わかったか~僕の方が強いんだぞ!」
夏美ブンニュンのほうも「はいはい、もうやめてよ~」といった感じです。

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そんな2頭の様子に気づいたのか、一番年上の冬美トンクンが2頭に近づいてきました。すると…突然おとなしくなる秋都トンカム。怒られるとでも思ったのでしょうか。

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それでもひそかにまだ夏美ブンニュンを押し続ける秋都トンカムでした。

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このように最近、秋都トンカムは夏美ブンニュンに対して強気な行動が時々見られるようになってきました。まだ、今の段階では遊びに毛が生えた程度のもので、本格的な攻撃行動などとは全く違います。

ゾウは個体間で順位をつける動物です。オスである秋都トンカムは、いずれは一番体が大きくなり、最も順位の高い、強い存在になっていくはずです。むしろ、そうなっていかなければ、繁殖も難しくなってしまいます。今は一番若く体も小さいため、お姉ちゃんたちの勢いに押され気味な感じもしますが、今回のように一番年の近い夏美ブンニュンに対しては、少しずつ遊びながらも強気な態度を取るようになってきています。トンカムが一人前のオスゾウになるまでまだまだ先は長いですが、このように少しずつオスらしいやんちゃな行動が見られるのは、将来の繁殖のことを考えてもよいことのなのでは、と感じています。

あれっ、子ゾウは4頭いるはずなのに3頭しか出てきてない!?もう1頭はというと・・・
この子、春美カムパートです。

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人一倍食欲のある彼女は、もちろん私を見つけるとすぐに「なんかくれるの?!なんかくれるの~?」と寄ってきましたが、もらえないとわかるとすぐに去っていって、ほかのゾウの様子など気にも留めず、グラウンドに残った青草や乾草を一生懸命食べていました。

ちなみに、秋都トンカムは、春美カムパートがまだまだ怖くて太刀打ちできません。特にみんなで餌を食べているときに近づこうものなら、すごい勢いで頭を振って怒られるのです。まだまだ立派なオスゾウへの道のりは険しい・・・

著者プロフィール

安井 早紀(やすい・さき)

2009年、大阪大学理学部生物科学科卒業。京都大学野生動物研究センター、修士課程にてゾウの遺伝子に関する研究を始める。博士後期課程では、約200頭のアジアゾウがゾウ使いとともに生活している、タイ、スリン県のタクラン村にて、アジアゾウの社会行動についての研究を行う。2014年3月に研究指導認定退学後、4月より京都市動物園で飼育員として勤務している。

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