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Vol.25 アカカンガルーの筋肉

2022.4.14

今月は、アカカンガルーのムキムキな筋肉について注目してみました。
オスのカンガルーは、メスの3倍ほど体が大きくなる個体もいます。
メスに比べてオスのほうが筋肉がムキムキです。

人間は、筋肉に必要なたんぱく質(お肉など)をとって筋肉をつけます。
草食動物のカンガルーは、肉ではなく草(当園では、イネ科のチモシーを主として与えています)を食べて、
草から筋肉に必要なアミノ酸を合成することができ、筋肉をつける。という仕組みです。

また、オスは戦うことでさらにムキムキな筋肉が付きます。
カンガルー界の恋愛事情は、発情したメスと一緒になれるのは、一番強いオスのみ1頭。
メスを勝ち取るためオスは、戦います。
筋肉を鍛え上げていればいるほど、繁殖に有利ということです。

メスは、長距離を移動するために後ろ足はオスと同じく発達していますが、
戦うことがほとんどない為、上半身の筋肉の付き方は明らかにオスとは違ってほっそりしています。

いと(メス)

今後、当園で筋肉の成長が期待できるのは、1歳のオスの「マッチ」「エイト」です。

マッチ(写真:左)エイト(写真:右)

まだまだ可愛い戦いですが、1歳同士でも戦います。
筋肉の付き方からして半年上の「マッチ」がいつも勝利します。
最近、飼育員に対しても戦闘態勢を取ることが増しています。

オスは繁殖期にはしばしば自らの筋肉を見せつけるポーズを取り、
メスに気に入ってもらえるようアピールもします。

そしてオスの成長は、6.7歳でピーク時に達するという話や死ぬまで成長するという話も聞きますが
実際はどうなのでしょうか。
「マッチ」「エイト」が、これからどんな筋肉ボディに成長するか注目してみてください。

著者プロフィール

原田絵梨(はらだ・えり)
1994年5月6日生まれ。長野県出身。
2015年から須坂市動物園にて勤務。
現在アカカンガルーや霊長類を担当。

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