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Vol.50 花火大会イベント時の飼育対応

2024.7.30

須坂市では、2024年7月21日(日)に「第37回須坂みんなの花火大会」が行われていました。須坂市での大きな花火大会で多くの人で賑わう夏のイベントです。そんな楽しいイベントの裏で飼育員はある戦いを毎年しています。

須坂市動物園から花火が打ちあがる地点までは、数百メートルしか離れていません。花火は大きい音が鳴ったり、強い光を放ったりしますので動物には強い刺激になります。特に草食動物など臆病な動物は花火に驚いてケガをしてしまうこともあります。飼育員はそんな動物がケガをしないように見張ります。

私は担当どうぶつのアカカンガルーを見張っていました。花火の打ち上げが開始し、大きな音が鳴りました。展示場にいたカンガルーは揃って花火の方向に視線と耳を向け、寝室にいた個体も展示場に出てきました。一番花火に驚いていたのはさくらちゃん(♀)です。展示場と寝室を走り回りながら行き来し寝室に敷いてあった麻袋も蹴散らすほど大暴れしていました。次に驚いていたのはライトくん(♂)でやはり最年少が一番花火に敏感なようです。ライトくんは、展示場を走り回っていましたが他のオス二頭が冷静にしているのにつられ大人しい状態に戻っていました。マッチ、エイト、いとは冷静で大人しく花火を見ているようでした。エイトは、途中から寝転がり始め大きな音の中でもリラックスしている様子でした。3頭の大人しさには飼育員もびっくりしました。
ちなみに当園のカンガルーが苦手な花火の種類は、一度「ボン」と開いた後「パチパチパチ」と鳴る花火でした。

今回は花火大会の際の飼育員の対応を紹介しました。動物がケガをしないように見守るのも飼育員のお仕事です。今後もカンガルー達の健康と安全を守っていきたいと思います。

ニコニコしながらエサを食べるさくら(♀)

サンドバッグにハグするライト(♂)

マッチ(♂)のお尻を触るライト(♂)

著者プロフィール

小椋大玖(おぐら・だいき)

2001年3月14日生まれ
東京都出身
2021年から須坂市動物園に勤務
担当動物:アカカンガルー、カピバラ

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