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Vol.5 番外編 カメのお話

2017.8.20

 私はトキNipponia nipponの担当をしていますが、同時にカメ類の担当でもあります。コラムの番外編として、すばらしい生き物であるカメのお話も織り交ぜていこうと思います。

アルダブラゾウガメ  ゾウガメはリクガメ科の中で最も大きくなる種です。意外と頭が良く、飼い主と他人を区別できるようです

カメという生き物
 カメというと、多くの日本人は浦島太郎を竜宮城に連れて行ったウミガメと、身近なカメとして知られるニホンイシガメやクサガメを思い浮かべることと思います。いずれも人にとって無害で、むしろ温和なイメージの生き物なので、ヘビやトカゲなど他の爬虫類と異なり、余り恐れられることのない生き物です。そのため、動物園でも展示動物として大変人気があります。また、ペットとして飼われている爬虫類で最も多いのも、カメであるといわれています。

世界各地の海にはウミガメがいて、地球規模で移動しています

 そんな日本人に愛されているカメたちですが、実は地球上には様々な環境に適応して姿形を変えた、驚くほど多種多様なカメが暮らしています。まさに生物多様性を目の当たりにすることができる生き物、それがカメなのです。

ニホンイシガメは日本の里山環境に適応したカメです。立体的な動きが得意で田んぼの畦やため池の縁を器用に登って移動します

カメの分類
 カメは世界中に約300種類いるとされていて、大きく分けると曲頚類と潜頚類にわかれます。曲頚類は80種類くらいいますが、日本人にとってはほとんどなじみがないと思います。かれらは上から見たときに首が横に曲がるタイプのカメで、中南米、オーストラリア、東南アジア、アフリカに住んでいます。落ち葉そっくりなマタマタや、カエルガメの仲間が、動物園や水族館では良く展示されています。

曲頚類は首が横に曲がる仲間で、完全に頭を収納できないものが多いです イラスト:北川和也

マタマタは首にもヒダがあり、落ち葉に擬態しています

ヒラリーカエルガメ 泳ぐのが得意な南米の曲頚類です

 潜頚類は、日本にも住んでいるイシガメの仲間や、リクガメ、ウミガメなど、曲頚類以外のすべてのカメが含まれます。上から見たときにまっすぐ頭が引っ込むタイプです(ウミガメなど、頭が引っ込まないものもいます)。

潜頚類は日本人にもなじみのある首の収納方法です イラスト:北川和也

曲頚類も潜頚類も、どちらも甲羅で身を守っている不思議な生き物です。世の中にはどんなカメがいて、どのように生きているのかを、時々お伝えしていこうと思います。

つづく

著者プロフィール

野田英樹(のだ・ひでき)

静岡県出身
小学生の頃から熱帯魚や小鳥の繁殖に明け暮れる。
大学では爬虫類に興味を持ち、淡水性カメ類の研究をする。
2004年 金沢大学大学院自然科学研究科博士前期課程修了

2004年よりいしかわ動物園で鳥類の飼育を担当し、トキ受入れに備えた。
2010年からはトキとカメ類の飼育繁殖に取り組んでいる。

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