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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.5 改良ベクトルと進歩

2013.3.1

ランチュウに代表される金魚の品評会は、年齢で部門分けされています。金魚の年齢は、数え年で表します。誕生日は考慮しないので、年が明けた時点で年齢が加算されます。優劣を競い合う部門構成は、その年に生まれた当歳魚の部、二年目の弐歳魚の部、三歳以上は全て親魚の部となります。

ランチュウの品評会で、愛好家が最も気合を入れているのが当歳魚の部です。春に採卵した卵から、一気に成長させ、秋までに魚を仕上げます。その成長のスピードはすさまじく、11月には全長15cmに達します。10数年前に私が始めて全国大会に参加したころのは平均12cm程度ですから、驚異的なサイズアップです。

地方大会の当歳魚トップ「東大関」

誤解がないように補足しますが、品評会は大きいものが良いのではありません。審査規定では、同等なら大きいものを上とするとされているだけで、単に大きいだけでは評価されません。当時も大きさなら負けない魚はいましたが、魚の質が追いついていませんでした。近年は質も向上し、目を見張るような魚ばかりになりました。

30年程前、ランチュウは親魚で完成すると言われていました。それも最低6歳で完成。採卵は、3歳で試し採り、本命は4歳以上でと教わりました。今は、明二歳で本命を採ります。弐歳魚は親魚より採卵のコントロールがしやすく、年が明けるとすぐに産卵させる愛好家もいます。Yahooオークションではそのため、世代交代が早く進むようになりました。更に、愛好家の秋の品評会までに大きくしたいという改良ベクトルと相まって、ランチュウの進歩は猛烈なスピードで今も続いています。

※今回のランチュウは、協会系です。

著者プロフィール

津村英志 (つむら・えいじ)

津村英志虹の森公園おさかな館館長 1967年生まれ 愛媛県出身 小学校6年の時に金魚飼育を始める。
金魚の天敵である猫は大嫌いだったはずだが、ひょんなことから子猫を飼い始めたところ、案外嫌いでない自分に気づく。 
愛媛大学大学院理学研究科生物学専攻修了。
平成8年よりおさかな館会館準備にあたる。平成12年より現職。
日本らんちゅう協会会員愛媛吟らん会 副会長 事務局
愛媛南予らんちゅう会 事務局

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