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Vol.14 基準では言い表せない味というもの

2013.12.4

 もうすぐ師走ですね。寒さが一段と厳しくなるこの季節、金魚たちの動きはすっかり緩慢になり、そろそろ冬を越す準備を始めます。冬の越させ方は、Vol.3でご紹介していますので、読み返してみてください。

 前回、ランチュウの審査の基準についてご紹介しました。しかし、奥深いランチュウの世界には、「味がある」という意味深い表現があります。今では、あまり聞かくなったように思いますが、以前は品評会の会場のあちこちで良く聴かれる言葉でした。審査場でも、審査員からこの魚は味があるから順位が上だとかいうように、金魚の優劣を決めるときにも、この「味がある」という尺度が用いられました。

 

 

 ランチュウの世界に一歩を踏み出した方が、最初につまずくのがこの「味がある」という表現です。ランチュウの泳ぎが軽やかで優雅なことでも表現が足りない気がします。ランチュウが泳ぎだすとき、静から動へ転じますが、その転じ方、すなわち泳ぎ出しがなんとも艶やかであるとか・・・意味合いを、相手に伝えるのがとても難しい言葉です。私も数多くの品評会に参加し、場数を踏んでいったことで、なんとなくわかってきましたが、万人が共通の認識を持っているかと言えば、はなはだ疑問です。

 十数年前の全国大会の優勝魚は、息を呑むほど「味がある」魚でした。それ以来、その魚を思い描きながら魚つくりをしていますが、道のりはまだ遠そうです。

著者プロフィール

津村英志 (つむら・えいじ)

津村英志虹の森公園おさかな館館長 1967年生まれ 愛媛県出身 小学校6年の時に金魚飼育を始める。
金魚の天敵である猫は大嫌いだったはずだが、ひょんなことから子猫を飼い始めたところ、案外嫌いでない自分に気づく。 
愛媛大学大学院理学研究科生物学専攻修了。
平成8年よりおさかな館会館準備にあたる。平成12年より現職。
日本らんちゅう協会会員愛媛吟らん会 副会長 事務局
愛媛南予らんちゅう会 事務局

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