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Vol.16 カワセミの餌場

2015.10.13

 飼育している金魚の数が、いきなり減り始めました。魚たちは何かに怯えているようです。何かに襲われているようです。3年前に猫の被害にあっていましたし、夏に愛犬がなくなって留守中の番をするものがいなくなったので、また猫だろうかと勘ぐりましたが、どうも様子が違います。猫は、金魚を捕ると池の近くで食べるので、周辺にウロコが散らばっています。今回は、そのような食痕も見られませんし、猫の姿もありません。しかし、周囲をよくよく探してみると、ところどころに鳥の糞があります。そして明らかに魚の骨でできたペリットが見つかりました。

 

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 私の住んでいるところは冬の風がとても強く、強風を防ぐ為に大きな杉が植えられています。その先は果樹の畑や雑木林になっていて、山鳥やイノシシ、シカが闊歩しています。畑とは2mの擁壁でさえぎられているので獣の侵入はありませんが、池の周囲には日よけに遮光ネットを張り巡らせているだけなので、鳥なら容易に侵入できます。そのため鳥対策として、池には日よけ、獣除けをかねた波板をかけています。蒸れないように隙間を空けているのですが、そこから侵入しているようです。秋口になり、暑さも和らいできたので隙間をなくし、害鳥の正体を探ることにしました。
 程なく、ハンターがカワセミだとわかりました。周辺には3つの農業用のため池がありますが、そのうち1番近いため池に、3羽のカワセミが住んでいます。おそらく彼らでしょう。捕獲現場は確認していませんが、金魚池の近くにとまり、人の気配があるとすぐに雑木林逃げ込みます。どうも朝晩の2回、定期的に回ってきているようです。カワセミの被害は、これで3回目です。1回目はハウス内で捕獲して遠くに離しました。2回目は波板の隙間から侵入し、池から出られなくなって溺死してました。今回は、被害も大きく対策もとりにくいので、ネットを全面に張ることにしました。スズメバチもたまに襲来するので危険防止も兼ねます。

 

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 ところで金魚の被害のうち、もっとも大きいのはサギ類の食害です。彼らは餌場は決して忘れませんし、大きい親魚でもひと呑みです。群れでやってきて一日で全滅、という話を良く聞きます。ドブネズミの被害やカエル類で唯一水中捕食をするウシガエルの被害もあります。アライグマが侵入しているところでは、彼らが大きな脅威になっているようです。これらの鳥獣害は人がいないところを見計らって起こりますから、その対策はとても重要です。

著者プロフィール

津村英志 (つむら・えいじ)

津村英志虹の森公園おさかな館館長 1967年生まれ 愛媛県出身 小学校6年の時に金魚飼育を始める。
金魚の天敵である猫は大嫌いだったはずだが、ひょんなことから子猫を飼い始めたところ、案外嫌いでない自分に気づく。 
愛媛大学大学院理学研究科生物学専攻修了。
平成8年よりおさかな館会館準備にあたる。平成12年より現職。
日本らんちゅう協会会員愛媛吟らん会 副会長 事務局
愛媛南予らんちゅう会 事務局

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