日本全国の動物園と水族館をつなぐ情報誌、「どうぶつのくに」「どうぶつえんとすいぞくかん」公式Webサイト

どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.10 品評会始まる

2013.8.2

梅雨が明け、稚魚たちは色変わりを終えました。若魚の趣が出てくる7月から8月にかけてのこの時期、全国各地でランチュウの当歳魚研究会が盛大に行われます。秋の前哨戦として、会員がお互いに今年の出来を披露し合います。かつては青仔研究会と呼ばれることが多く、退色前の魚も多く出品されていたようですが、今ではほとんど見かけることはありません。かつての話をすれば、この時期の当歳魚のサイズは小指2節程度でした。今では中指サイズが普通になっています。

品評会サイズの当歳魚

ランチュウの鑑賞のポイントは、優雅な泳ぎです。体の各部位にも細かな基準がありますが、それらをクリアーした上での優雅な泳ぎです。背びれが無いのに加え、肉瘤が水の抵抗を大きく受けるため、泳げるということはとても重要です。そのため審査は、土俵たらいの中で相撲をとるごとく、泳ぎ合って優劣を競います。

オオサカランチュウその後

品評会に色の審査基準はありませんが、土俵が白い洗面器のため赤が映えます。特に頭とヒレが赤いと派手やかな印象があり、体が華奢な当歳魚では有利に働くことが多くなります。白色のランチュウでも、全国大会で通用する立派な親魚もたくさんいます。これらの親魚は、当歳魚の時は赤い色をしていたが、年を経るうちに白くなってしまったものが多いのです。このように赤色が抜けて白色になることはありますが、その逆は期待できません。

赤い色が復活したオオサカランチュウ

ところがごく稀に白い魚が赤くなることがあります。私が飼育した中でこの現象が起こったのは、たった2例です。いずれも色彩に強いこだわりのある金魚、オオサカランチュウとナンキンです。いずれも、ウロコとヒレの一部に鮮やかな赤が発色しました。しかし、この赤は持続せず、やがて消失してしまいました。金魚の配色はコントロールできていませんが、これらの現象が解明されれば、自由自在に更紗模様が作れるようになるかもしれません。

ナンキン

著者プロフィール

津村英志 (つむら・えいじ)

津村英志虹の森公園おさかな館館長 1967年生まれ 愛媛県出身 小学校6年の時に金魚飼育を始める。
金魚の天敵である猫は大嫌いだったはずだが、ひょんなことから子猫を飼い始めたところ、案外嫌いでない自分に気づく。 
愛媛大学大学院理学研究科生物学専攻修了。
平成8年よりおさかな館会館準備にあたる。平成12年より現職。
日本らんちゅう協会会員愛媛吟らん会 副会長 事務局
愛媛南予らんちゅう会 事務局

カテゴリー

カテゴリー一覧

このカテゴリーの他の記事

ページTOPへ

Copyrights © 2010 Doubutu-no-kuni All Rights Reserved.
誌面、Webにおけるあらゆるコンテンツの無断複写・転載を禁じます。