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Vol.10 バービー!

2017.8.15

みなさん、こんにちは。今回の話題はアメリカビーバーです。
お客さまは、ラッコやカワウソ、特に『バービー』と呼ぶことが多く、ほぼ毎日耳にします。
本来の名前で呼ばれず、なかなか影が薄い生きものですが、じっくり観察してみるととても面白い生きものです。
今回は、そんなビーバーたちの主担当を任されたばかりの私の、飼育方法の試行錯誤についてお話しします。

まずはごはんの紹介から。以前は「野菜」中心のメニューでしたが、現在は「固形の配合飼料(ドライフードのようなもの)」と「柳の葉」を主に与えています。

というのも、本来の食性に近づけるためです。野生のビーバーは主に広葉樹の葉を好みます。配合飼料はあくまで補助的なものです。
配合飼料に切り替えたばかりの頃はあまり気が進まないようでしたが、次第に慣れてきて今では取り合いをするほど好んで食べています。一見すると味気なさそうなごはんですが、栄養価は申し分ありません。

飼育場には太い幹を立てられる仕掛けがあります。ビーバーは前歯を大工道具のノミのように使ってゴリゴリ削り、切り倒して巣に持ち帰ります。

また、幹をプールに浮かべておくと泳ぎながら咥えて巣に持ち帰ります。
その幹の樹皮は食べ、心材は寝床に敷くための木くずにします。食べさせるために用意した柳の葉をそのまま寝床に敷かれてしまったことがあります。ビーバーたちにとっては、かじる手間なくふかふかの寝床を手に入れられ都合がよかったのでしょうね。

せっかく作った木くずですが、これは毎朝の掃除ですべて回収し、捨ててしまいます。古い木くずを残しておくとそれに満足して新しく作らないのです。ビーバーたちの歯は私たちの歯と違って一生伸び続けます。
木をかじることで自然と良い状態が保たれるのです。以前、この「かじる」行動が不足して前歯が伸びすぎてしまった例があるので積極的に木をかじらせる機会を増やしています。

午前中はよく寝ていて活発に動き始めるのはお昼過ぎからです。といっても、とてものんびりしているのでペースを合わせていただいて気長にご覧いただければと思います。
これからも動物をより健康的に、より多様な行動を引き出せるよう工夫して飼育していきたいと思います。

著者プロフィール

小野寺 良 (おのでら・りょう)

1993年 宮城県気仙沼市育ち
2014年 マリンピア松島水族館入社。当時ショーチームに所属しカリフォルニアアシカを担当。
2015年 マリンピア松島水族館閉館と、うみの杜水族館開館に伴い移動。
現在は海獣ふれあいチームに所属。

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