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Vol.7 タマムシの季節がやってきました!

2013.7.12

長崎バイオパークの園内で7月1日に今年初めてのタマムシ(ヤマトタマムシ)を目撃しました。タマムシはその美しい姿で有名ですが、その姿を見ることが出来る期間はあまり長くはありません。園内での成虫の発生は7月上旬から8月中旬のほぼ1ヶ月くらいです。

また、姿を見られるのが、一番暑い12~15時です。それもケヤキやエノキなど10mを越える高木の梢を多いときは10頭以上が同時に飛翔しますので見応えはありますが、長時間見ていると首が痛くなってしまいます。

 

 

このタマムシを採集するためには長い竿の網を使わなければなりません。私は5mになる長竿を使用しますが、それでもなかなか網の届くところには下りてきません。暑さと首と腕の痛さに耐えながら採集できたタマムシはより美しく見えるものです。

園内では昆虫館周辺にケヤキが多く、昆虫館の屋根に上がっての採集もしたことがありましたが、太陽からの熱と屋根の照り返しの熱で30分も居なかった記憶があります。

 

 

昆虫館に入るお客様がタマムシに気付くことはなく、この美しいタマムシの生きている姿はやはり私が採集して見せるしかないと使命感だけで、この夏も熱中症に気を付けながら長い網を振り回していることでしょう。

全国的に少なくなっている本種ですが、長崎県内でもこのようにたくさんのタマムシが飛び交っているのはバイオパークだけだと自慢しています。

 

 

タマムシといえば、国宝である「玉虫厨子」が有名で社会の教科書で見た記憶があります。この「玉虫厨子」には何と2600匹の本物のタマムシの翅が使用されていたそうです。5mの網でも1匹をなかなか採集できないのに、昔の人はどうやって2600匹のタマムシを集めたのだろうと感心させられます。

園内では夏の終わり頃に順路などで力尽きたタマムシが転がっていることがあります。もしかすると網のようなもので積極的に採集したものではなく、今よりもたくさん生息していたため、夏の終わりに落ちていたものを集めていたのかもしれません。

そういえば40年前くらいだったか私の母のタンスの中にタマムシが1匹入っていました。理由を聞くとタマムシを入れておくと着物が増えるという言い伝えがあるとのことでした。

著者プロフィール

伊藤雅男 (いとう・まさお)

1961年東京生まれ。
1983年から長崎バイオパーク勤務。およそ30年間に12頭のカバの飼育に携わっている。趣味はカバグッズ収集と昆虫採取で、休みの日は捕虫網を持って山間部にいくことが日課。特に渡りをするチョウで有名なアサギマラのマーキング調査を15年間続けており、毎年2000~3000匹にマーキングをしている。先日は長崎から台湾への移動も記録した。最近はカメムシに興味を持ち、園内で採集したカメムシをポケットに忍ばせていることもある。

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