日本全国の動物園と水族館をつなぐ情報誌、「どうぶつのくに」「どうぶつえんとすいぞくかん」公式Webサイト

どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

Vol.10 今年初の昆虫捜しはカブトムシの幼虫

2014.1.11

 毎年この時期は寒さのため昆虫たちの多くは冬眠しています。このため私も昆虫捜しをせずに家でコタツから離れない生活になってしまいます。ただ、例年この時期だけしか体験できない採集があります。それがカブトムシの幼虫掘りです。

 長崎バイオパークの園内は自然が豊かであるため、多くの昆虫たちが生息しています。子供たちが大好きなカブトムシもたくさん生息しています。夏は成虫がコナラ、クリ、タブノキ、イボタなどの樹液を求めて集まります。そしてその付近にある落ち葉に集積所にカブトムシのメスが卵を産みに来るのです。

 

 

 今年も目を付けていた腐葉土を慎重に掘り土に混ざった幼虫の糞を見つければそこには必ず幼虫は隠れています。幼虫を潰さないように慎重に掘り進むと白い大きな幼虫が出てきました。1時間ほどで写真のように大量の幼虫を見つけました。とても楽しいのでこの成果を自慢したくなり、当園の若い飼育係に見せるとほとんどが「気持ち悪い!」と嫌がります。女性だけでなく、男性でも眉間にシワが寄るのです。でも自己満足だけの採集ではなく(?)、この幼虫たちには今後重要な役割が待っているのです。

 この幼虫たちを選別して昆虫館に持ち帰り、腐葉土やカブトムシ専用マットなどを入れた水槽で飼育をして成虫になる夏には昆虫館のタッチングコーナーで展示を行なう予定なのです。 これからすぐに暖かい室内で飼育をすると幼虫は春になったと勘違いをして夏休みのかなり前に成虫になってしまいます。このため、外気と同じ環境で飼育を行なうことで自然の時期と同時に羽化させることができます。

 

 

 これで今年の夏の子供たちの遊び相手をたくさん誕生させることが出来そうです。ちなみにオスはタッチングに向いているのですが、メスには角がなく手に取りにくいことや網を破って脱走することなどから一部は次の繁殖用に飼育し、その他は採集した野外に放すこともあります。

著者プロフィール

伊藤雅男 (いとう・まさお)

1961年東京生まれ。
1983年から長崎バイオパーク勤務。およそ30年間に12頭のカバの飼育に携わっている。趣味はカバグッズ収集と昆虫採取で、休みの日は捕虫網を持って山間部にいくことが日課。特に渡りをするチョウで有名なアサギマラのマーキング調査を15年間続けており、毎年2000~3000匹にマーキングをしている。先日は長崎から台湾への移動も記録した。最近はカメムシに興味を持ち、園内で採集したカメムシをポケットに忍ばせていることもある。

カテゴリー

カテゴリー一覧

このカテゴリーの他の記事

ページTOPへ

Copyrights © 2010 Doubutu-no-kuni All Rights Reserved.
誌面、Webにおけるあらゆるコンテンツの無断複写・転載を禁じます。