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Vol.14 世界で一番美しいクワガタ

2015.1.19

 世界でもっとも美しいクワガタといえば、やはりニジイロクワガタでしょう。オーストラリア北東部とニューギニアに分布しており、標高700m以上の山地に生息しています。ただ、ニューギニアの情報は極めて少なく、その標本すら見る機会が全くないほどの貴重種です。オーストラリアでも個体数は多い種類ではないようです。30年ほど前ではオーストラリアに分布する方でもその標本が少なく高価でした。

 

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 1999年11月に植物防疫法の一部が改正され、世界のカブトムシ・クワガタムシの輸入が解禁となりました。このおかげでニジイロクワガタも輸入されることとなり、憧れのニジイロクワガタを生きた状態で手にすることができたのです。この当時の値段がまだまだ高価でしたが、年々その価格は安価になってきました。その理由は繁殖がとても簡単な種類だったのです。現在は当園での飼育展示個体のほとんどがバイオパークで繁殖させたものです。一部違うのは血統更新のため、他の施設で繁殖したものを導入して交配しているからです。
 成虫は長生きで1年以上生きます。このため、産卵は羽化後4ヶ月以上経過をしたメスを利用します。クワガタ用のマット(広葉樹の木屑で作られたもの)や産卵用の枯れ木にたくさんの卵を産み付けます。

 

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 この卵が幼虫に孵化した後に今度は菌糸ビンという、きのこの菌をおがくずに植え付けた白いビンの中に移します。

 

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 温度で幼虫の期間は変わりますが、バイオパークでは半年から1年くらいで成虫になります。菌糸ビンで飼育している幼虫時期はあまりその姿は観察できませんが、蛹になる前に幼虫は蛹室というさなぎの部屋を作ります。これをビンの底付近で外から見える位置で作ることが多く、蛹の様子や羽化した確認をこの窓から見ています。この写真で分かるでしょうか?微かにニジイロクワガタの輝く姿が見えると思います。

 

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 現在も昆虫館のバックヤードでたくさんのニジイロクワガタの卵や幼虫、蛹、成虫を確保しています。

著者プロフィール

伊藤雅男 (いとう・まさお)

1961年東京生まれ。
1983年から長崎バイオパーク勤務。およそ30年間に12頭のカバの飼育に携わっている。趣味はカバグッズ収集と昆虫採取で、休みの日は捕虫網を持って山間部にいくことが日課。特に渡りをするチョウで有名なアサギマラのマーキング調査を15年間続けており、毎年2000~3000匹にマーキングをしている。先日は長崎から台湾への移動も記録した。最近はカメムシに興味を持ち、園内で採集したカメムシをポケットに忍ばせていることもある。

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