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Vol.9 バイオマークのアサギマダラが台湾で4頭確認されました。

2013.11.30

 10月28日に当ブログで書いた「秋のアサギマダラは南下の旅をしています」では本州から長崎県内に移動した個体などを紹介しましたが、その後、長崎県内でマーキングをしたアサギマダラが台湾に到達したと連絡がありました。

 長崎県佐世保市国見山から9月24日に妻とマーキングをした個体が台湾の中国大陸側にある澎湖諸島で写真に撮られていたのです。私のマークはバイオと書いた後にその年の通し番号を記入していますが、残念ながら写真で判断できるのが、「ナガサキ 9・24 K」でした。「9・24」は日付で、「K」は国見山を意味していますので、間違いなく私が国見山で174匹マーキングをした中の個体です。もし、バイオ1146であればちょうど5万匹となったのですが、捕獲されていなかったので真相は不明のままです。

 

 

 その後同じ場所で今度は11月9日に「バイオ2269 ナガサキ S 10・18」が再捕獲されています。

 また、3匹目は11月19日、4匹目は11月20日と2日連続で台湾澎湖諸島から再捕獲の連絡があり、とても驚いています。3匹目は10月15日に4匹目は10月29日に長崎県長崎市県民の森でマークした個体たちです。

 

 

 11月20日現在では私が長崎県からマークした個体で確認されたものは鹿児島県屋久島、鹿児島県奄美大島、沖縄県与那国島の3箇所です。特に与那国島への記録については長崎県佐世保市弘法岳から10月18日にマークした個体が10月24日に与那国島で発見されています。わずか6日間で与那国島にて確認されたのです。おりしも10月18日のマーク日は台湾へ飛んだ2匹目のマークをした日ですので、同じような移動をしていったのかもしれませんね。

 アサギマダラのマーキング調査は1980年から行われており、2001年に日本から台湾への移動が2匹(その内の1匹がバイオマーク)確認されて以来昨年まで日本から台湾への記録が11例だったと思いますが、今年はこれまでに8例出ており、本当に快挙なことなのです。それも11月9日は日本から台湾への移動個体が3匹同じ場所で捕獲されています。1匹は山口県からで、もう1匹は大分県からです。しかもこの2匹をマークした方は同一人物なのです。もう1例台湾の別の場所で捕獲された個体も山口県からで同じ方のマークでした。

 

 

 これは山口県→大分県→長崎県→台湾というルートがぼんやりと見えてきたような気がします。この澎湖諸島は今まで調査がほとんど行なわれていない地域だったようで、今回は1匹目の確認から台湾の研究者が入り、日本からのマーク個体を7匹も見つけてくれました。その内の4匹が私のバイオマークであり、本当に驚いています。

 11月13日に今年3000匹目のマークも達成しましたが気温が低下してアサギマダラも少なくなってきました。長崎県内でのアサギマダラのマーキングの時期は終わりになって来ました。でも来年もまた台湾や南西諸島で繁殖した次世代が5月ごろから長崎県に渡ってくることでしょう。来年は台湾から渡ってきたアサギマダラを捕獲してみたいものです。

著者プロフィール

伊藤雅男 (いとう・まさお)

1961年東京生まれ。
1983年から長崎バイオパーク勤務。およそ30年間に12頭のカバの飼育に携わっている。趣味はカバグッズ収集と昆虫採取で、休みの日は捕虫網を持って山間部にいくことが日課。特に渡りをするチョウで有名なアサギマラのマーキング調査を15年間続けており、毎年2000~3000匹にマーキングをしている。先日は長崎から台湾への移動も記録した。最近はカメムシに興味を持ち、園内で採集したカメムシをポケットに忍ばせていることもある。

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