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Vol.13 「今年もバイオマークのアサギマダラが台湾で確認されました。」

2014.11.18

 私の家族で行なってきたアサギマダラのマーキング調査は今年で18年目になります。昨年は17年間のマーク数が通算5万頭を超える節目の年でしたが、秋深まってきた頃、台湾の澎湖諸島でバイオマークの個体が4頭も相次いで見つかり驚きと感激でしたが、なんと今年も台湾北部で見つかりました。2年連続の快挙は2007年~2008年に長崎県上五島(野下広人さんのマーク個体)から台湾に行った例しかありません。これも長崎県からですので、2001年に私のマークが国内2例目の台湾移動も含めて、長崎県内から台湾へ移動した個体は合計8頭になります。8頭とはあまりにも少ない数字のように思えますが、日本国内から台湾へ移動した例が昨年まで19頭だったこと、県別では長崎県の8頭の次は長野県、鹿児島県がともに2頭であることを考えると長崎県の8頭は特別に多いのです。しかし、マークする数は長崎県が特別多いわけではないのです。こうなると長崎県から台湾へ行くアサギマダラの道があるような気がしてきます。長崎県はアサギマダラの移動に関する重要な場所である可能性が益々高くなりました。

 

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 写真は今回台湾で発見された個体です。10月17日に長崎県長崎市県民の森でマークし、11月1日に台湾新北市觀音山で李雨蓁さんが発見していただきました。写真も李雨蓁さんからのご提供です。

 ちなみに今年の秋に長崎県本土で確認された他県からのマーク個体は石川県8頭、群馬県3頭、長野県3頭、京都府1頭、岐阜県1頭、富山県1頭、山梨県1頭、山口県2頭、大分県1頭、マーク者不明1頭となっています。例年と比べると石川県からの移動個体が8頭と際立っています。これは石川県の研究者の方々がたくさんのマークをした成果だと思います。

 

 今年のマーキング数は18年間で最高数の5248頭です。この内、5月には北上を示す移動として大分県姫島に2頭、石川県で1頭が移動しています。南下では台湾以外は沖縄県沖縄島で6頭、鹿児島県喜界島で2頭の移動が確認されています。
 まだたくさんのバイオマークのアサギマダラが南下している最中と思われます。無事に暖かい南方に辿り着いて、発見されることを願っています。

著者プロフィール

伊藤雅男 (いとう・まさお)

1961年東京生まれ。
1983年から長崎バイオパーク勤務。およそ30年間に12頭のカバの飼育に携わっている。趣味はカバグッズ収集と昆虫採取で、休みの日は捕虫網を持って山間部にいくことが日課。特に渡りをするチョウで有名なアサギマラのマーキング調査を15年間続けており、毎年2000~3000匹にマーキングをしている。先日は長崎から台湾への移動も記録した。最近はカメムシに興味を持ち、園内で採集したカメムシをポケットに忍ばせていることもある。

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