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Vol.9 カバ年だった2013年

2013.11.20

 今年は6月4日に子カバ誕生があり、7月2日にはモモの第4子である百吉が旭山動物園に移動となりました。また今回新しいオスの導入があり、長崎バイオパークの2013年はまさしくカバの年だったと思います。

 2013年11月7日に神戸市立王子動物園より1歳1ヶ月の若いオスのカバが到着しました。名前は出目太です。

 

 

 この出目太の来園の縁結びはどうぶつのくにの田井基文さんなのです。田井さんから王子動物園のオスカバ誕生の情報をいただいて、縁談話が進んだ経緯がありますので、田井さんはカバたちの仲人になります。長崎バイオパークにはオス2頭、メス2頭のカバを飼育していますので、出目太の来園で5頭になりました。

 日本初の人工哺育である人気者のモモ(19歳)の配偶者として導入したのですが、モモの4頭目である百吉(2歳)よりも若い相手となります。このため、まずは群れに合流して飼育して行き、1年後くらいにモモとのペアリングを行なっていく予定です。

 

 

 近年当園ではカバの繁殖は順調だったので、今まで5頭のカバを他園に送り出していました。しかし、昨年2月にモモの旦那だったムーが死亡したため、新しいカバの導入は13年ぶりでした。

 当園のカバたちを他園に搬出するときはかなりの緊張感ですが、また受け入れる側になると当園の環境に慣れてくれるかなど不安が多くなってします。

 神戸から無事到着した出目太ですが、やはり始めは環境の変化のため、えさの量も少なく心配していましたが、カバは順応性が高い動物なのでだんだん慣れてきています。

 まだ1頭で飼育していますが、11月11日にお見合いが出来るように壁になっていた板を一部外しました。この時は無関心でしたが、その日の夕方には写真のように出目太と今年6月に生まれたムサシと舐めあってお互いを確認していました。やはり、出目太はまだ1歳ですからモモの旦那というよりも、ムサシの兄貴分としてまず群れに合流させる方がいいと判断しています。

 

 

 モモと母親のノンノン、ノンノンの子(モモの弟)のムサシ、そして出目太の4頭で飼育を計画しています。なお、モモとその父親のドンの交配は避けなければならないため同居はできませんので5頭の群れにはならないのです。

 一番見たいのが生後5ヶ月のムサシと1歳1ヶ月の出目太がじゃれ合う姿です。一夫多妻の野生のカバの群れには複数の子供たちが一緒に生活していますが、日本の動物園では飼育スペースの関係などでペア飼育がほとんどです。このため、子カバが複数その園に存在することは双子が生まれないかぎりありえません。ムサシが他園に行くまでの短い期間となるかもしれませんが、子カバ同士が遊ぶ姿を早く見てみたものです。すでに2頭は柵越しで舐め合っていますので、もうその前兆はあるのです。

著者プロフィール

伊藤雅男 (いとう・まさお)

1961年東京生まれ。
1983年から長崎バイオパーク勤務。およそ30年間に12頭のカバの飼育に携わっている。趣味はカバグッズ収集と昆虫採取で、休みの日は捕虫網を持って山間部にいくことが日課。特に渡りをするチョウで有名なアサギマラのマーキング調査を15年間続けており、毎年2000~3000匹にマーキングをしている。先日は長崎から台湾への移動も記録した。最近はカメムシに興味を持ち、園内で採集したカメムシをポケットに忍ばせていることもある。

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