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Vol.13 神戸市立王子動物園でカバ誕生

2014.10.13

 少し前の事になりますが、神戸市立王子動物園でオスのカバが生まれていますね。その子の名前は「出目吉」。父親の出目男から出目をもらったのは当園に来ている出目太も同じです。そして吉についてですが、出目太の父方の祖父が東山動植物園の重吉ですのでとても良い名前だと思います。当園の百吉の名前を私が考えた時も多くの吉があるようにという希望と共に、日本のカバ界の祖先とも言える重吉・福子の存在も考慮していました。

 

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 今回生まれた出目吉は7月28日に生まれています。出目太の誕生以来1年10ヶ月ぶりとなります。出目太が長崎に着てからだと約9ヶ月であり、カバの妊娠期間が約8ヶ月ですから、ペア構成後、すぐに受胎したことになります。

 今年2月に当園のムサシが死亡しましたが、また新しい命が国内で誕生したことは日本のカバ界においてとてもうれしいことです。日本のカバたちが老齢化していく中で、少なくとも年に1頭でも国内で生まれることが重要ではないかと思います。

 

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 今後繁殖が期待できる若いペアも国内には存在していますので、カバの赤ちゃん誕生の話題が珍しいことにはならないのだと思います。

 しかし、寿命40~50年と言われる動物であり、2トン以上になるし、エサも水もたくさん必要なカバですので、今までどおり受け入れ先を考慮しての繁殖となるのでしょうね。

 出目吉の母親であるナミコは子育ての上手な良いカバですね。ただ、子を守ろうとするところが強かったのか、以前出目太に会いに行った時には警戒されてしまい、水中から出ようとはせず、結局私は出目太の写真を1枚も撮らせてくれなかったことを思い出します。

 

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 今年誕生の出目吉も生後1~2年のうちには他園に婿入りするでしょう。それまでの短い親子の時間ですが、充実した日々を過ごしていくものと思います。

 そして、出目吉の婿入り先も気になるところです。

 

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 なお、今回の王子動物園のカバの写真は神戸市在住の熊澤英子さまに提供して頂きました。ありがとうございました。

著者プロフィール

伊藤雅男 (いとう・まさお)

1961年東京生まれ。
1983年から長崎バイオパーク勤務。およそ30年間に12頭のカバの飼育に携わっている。趣味はカバグッズ収集と昆虫採取で、休みの日は捕虫網を持って山間部にいくことが日課。特に渡りをするチョウで有名なアサギマラのマーキング調査を15年間続けており、毎年2000~3000匹にマーキングをしている。先日は長崎から台湾への移動も記録した。最近はカメムシに興味を持ち、園内で採集したカメムシをポケットに忍ばせていることもある。

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