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Vol.8 シカに囲まれた動物園 伊豆アニマルキングダム

2019.10.20

まず、こちらの写真を見て下さい。

 飼育している動物が逃げたわけではありません。野生のニホンジカです。何もされないのが分かっているのか、日中でも従業員駐車場そばの林から人前に姿を現します。
 動物園は、外周柵が張り巡らされているので中には入ることはできません。ただ、周囲の自然環境では多数確認することができます。
 環境省のガイドラインでは、ニホンジカの適正生息密度は1平方キロ当たり5頭ですが、2018年3月末の時点で伊豆半島には推定2万7700頭のニホンジカが生息しています。1平方キロ当たり26.9頭となる計算となり、大変な生息密度です。
 すでに天城山のブナ帯は深刻な被害が出ており、生態系への影響が心配されています。食害により、幹の樹皮が綺麗に剥がされ、勢いが無くなっている木が多数あります。また、下草が生えず新しい苗木も育ちません。早急な対策が求められているのです。

日の高い時間帯には 皆のいる目の前のこんなところにも表れます

親子で仲良く草を食べています

 園内でも、ニホンジカを飼育しています。ヤクシカという屋久島に生息する亜種がいるのですが、周辺に生息するニホンジカと比べ体は小柄です。
 これは「恒温動物においては、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では大型の種ほど寒冷な地域に生息する」ベルクマンの法則の通り、進化を果たしているからです。ヤクシカに見慣れている私たちは、北海道に住むエゾジカの姿を見たらさぞ驚くことでしょう。

ヤクシカです

 中でも外でもニホンジカを見ることができますので、ぜひ遊びに来て下さい。ただ、車を運転中に出会った場合は、無警戒な彼らにどうかご注意下さい。

著者プロフィール

飯塚 俊博 (いいづか・としひろ)

動物部 係長
1989年4月(株)伊豆バイオパーク入社
以後動物課及び動物部に所属
伊東市在住
1970年10月24日生まれ(48歳)

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