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Vol.24 スミレの話

2021.4.19

<上段、左側から、フモトスミレ・ニョイスミレ・タチツボスミレ。中段、左側からアリアケスミレ・スミレ・ヒナスミレ。下段は、アカネスミレ>

 皆さんは、スミレというと何を想像しますか。“スミレ”というと紫の小さな花を想像するかと思います。
 日本に自生する種類は大変多く、上の【写真】のように紫色・薄紫色・黄色・白色、他にもピンク色と種類は様々です。そして、冬になると、お店の園芸コーナーに並ぶパンジーやビオラもスミレの仲間です。その中で“スミレ”と名前がついているのは、写真中段の“スミレ”です。スミレの仲間のことも“スミレ”と総称で呼んでいるので、「viola mandshurica」という学名から好きな方は“マンジョリカ”と呼んだりします。
 スミレの仲間は、林・草原・湿地、高地などあらゆる環境で根を下ろします。そして、強肩でほかの植物が生えることができないようなアスファルトの隙間から芽を出すのです。また、スミレの仲間は花が咲かなくても、種を付けることができます。もちろん、花を咲かせて虫などに花粉を運んでもらって種を付けることもできます。これは、他の個体と受粉するために花を咲かせているようで、この他に閉鎖花という花の咲かない花?を使って自分のクローンを作るために種を作っています。背丈が低い種類のため、なるべく多くの種を作り、他の植物に負けないようにしているようです。
 園周辺では、林縁にタチツボスミレ、中ではフモトスミレ、ニョイスミレ駐車場とかには、スミレが生えています。ソメイヨシノが咲く頃になると、タチツボスミレやスミレが咲きだして、それから少し遅れてフモトスミレ、ニョイスミレが咲きだします。比較的目につくのは、タチツボスミレで園内の園路の法面などが、薄紫色で埋まっていることがあります。
大変きれいなので、ぜひ見に来てくださいね。
ちなみに園内では、

 またまた、アルパカの子供が生まれました。9頭の大所帯になっています。
 皆さんのお越しをお待ちしています。

著者プロフィール

飯塚 俊博 (いいづか・としひろ)

動物部 係長
1989年4月(株)伊豆バイオパーク入社
以後動物課及び動物部に所属
伊東市在住
1970年10月24日生まれ(48歳)

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