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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

「海を通して人と地球の未来を考える」

2011.6.14

私は、どこの国へ行っても早朝の魚市場を見ることにしています。魚市場では、その国の食文化、つまり海の利用の密度を知ることができます。市場での見聞は、その国の文化の相違から受けるカルチャーギャップを埋めてくれます。

水族館では、人々に、漁業の話題や、生きた生物の展示を通して、海の資源の持続可能な利用のあり方を伝えることが可能です。

アクアマリンふくしまの黒潮水槽では、ときにカツオやマグロがイワシ群を襲う様子が観察できます。動物園でライオンにシマウマを食べさせるわけにはいきませんが、水族館では海洋の食物連鎖の真の姿を見せることが可能です。

AMF開館時ポスター

リオデジャネイロで開催された国連会議以来、「持続可能な開発」がキーワードになりました。三つの相反する課題、トリレンマ、すなわち60億人の人口を養う経済成長、有限なエネルギー、そして環境保全、これにどのような最適解を見いだすかが、人類の課題です。

人と自然の関係を考えるユニークな社会資本として、水族館は、トリレンマの解決をテーマにした教育活動を展開する格好の施設です。むしろ水族館からの情報発信に説得力があると思っています。

AMF外観02

「海を通して人と地球の未来を考える」は、アクアマリンふくしまの哲学です。真に迫った自然をたのしみながら、自然の持続可能な利用のあり方を考える場です。ここでの体験がトリレンマの解決の糸口になると確信します。

AMF外観01

※ この文章は2001年7月15日に安部館長が書かれたもので、テキストならびに館の外観などは当時のまま掲載しています

著者プロフィール

安部義孝(あべ・よしたか)

1940年東京都生まれ
東京水産大学増殖学科魚類学教室卒業後、東京都恩賜上野動物園水族館勤務
1968-69年、クウェート科学研究所所員となる
帰国後、東京都多摩動物園昆虫園勤務を経て、東京都葛西臨海水族園長、東京都恩賜上野動物園長を歴任
2000年より(財)ふくしま海洋科学館・アクアマリンふくしま海洋科学館・アクアマリンふくしま館長
主な著書に「クウェートの魚」など

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