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「サステイナビリテイ」

2011.7.5

リオデジャネイロで開催された「地球サミット」以来、人の活動と自然をどう調和させるか、「持続可能な開発」がキータームになった。

英語でSustainable Development。Sustainは「支える、維持する、…耐える、」であるから、「持続」は迷訳の部類であると思っている。「維持可能な開発」に置き換えると、開発抑制に聞こえる。ともかく、「維持可能な開発は維持可能だろうか。」世界の人々がこの禅問答に答えをだそうとしている。

今日では、Sustainableを名詞形にして「持続可能性」あるいは「維持の可能性」、サステイナビリテイ、Sustainabilityがかなり一般的に使われるようになった。新しい辞書でもまだ出ていない。自然との関係の維持となると、自然との「共生」に近い意味となる。共生は禅宗の言葉で、厳しい自然との対峙をへて悟りを開く境地に至る、と理解している。

わが国は、捕鯨問題で数値的資源管理をアピールしてきた。経済水域200海里の沿岸漁業においても魚種ごとに適正な資源管理を行えば理論的には持続的な利用が可能である。アクアマリンでは水産試験機関や漁業組合と連携して、地元の水産情報を消費者でもある観覧者に提供している。

海洋資源の持続的利用のありかたを訴えることは、水族館の新しい役割である。日本有数の漁港、小名浜港に隣接したアクアマリンふくしまからサステイナビリテイ、「海洋の維持可能な利用」のメッセージが皆様にとどくことを願っている。

※ この文章は2001年10月25日に安部館長が書かれたもので、テキストならびに館の外観などは当時のまま掲載しています

著者プロフィール

安部義孝(あべ・よしたか)

1940年東京都生まれ
東京水産大学増殖学科魚類学教室卒業後、東京都恩賜上野動物園水族館勤務
1968-69年、クウェート科学研究所所員となる
帰国後、東京都多摩動物園昆虫園勤務を経て、東京都葛西臨海水族園長、東京都恩賜上野動物園長を歴任
2000年より(財)ふくしま海洋科学館・アクアマリンふくしま海洋科学館・アクアマリンふくしま館長
主な著書に「クウェートの魚」など

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