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どうぶつのくに どうぶつえんとすいぞくかん

シナリオに磨きをかける

2012.2.15

「海を通して人と地球の未来を考える」

アクアマリンふくしまの青いガラスの下の「自然」は、開館後6年をへて成熟度を増しています。
ふくしまの川と沿岸は、阿武隈の四季の自然が楽しめます。
夏は、木々の深緑が通路に木陰をつくります。
秋は、阿武隈の自然より遅くまで紅葉を楽しめます。
冬は、ガラス屋の下で、いつも小春日和です。
春は、阿武隈の自然より少し早くやってきます。
アクアマリンの四季は、俳句の季語にみちています。

アクアマリンふくしまのプロローグは、地球誕生からの生物進化をテーマにしています。
カンブリア紀から、化石と古環境の生き証人、生きた化石をとおして、進化は進歩ではなく絶滅をともなうことを語りかけます。
お客様は、両生類オオサンショウウオで終わるこのエリアから、エスカレータで最上階の現世へ上ります。
この最上階への40秒間、地層に見立てた壁面に魚竜や恐竜の化石につづいて、我々のご先祖のアウストラロピテクス、ホモ・エレクスト、ホモ・ネアンデルターレンシスのレプリカの頭骨をはめ込みました。

私たちに人類の進化と絶滅のメッセージを頭蓋骨の黒い眼窩から送り続ける趣向です。

キッズアクアリウムは、子どもたちを迎えるためのメニューを増やしています。
「BioBioかっぱの里」では、メダカやドジョウを追いかけてください。
「JubJubひがた」では、アサリやハゼを捕まえまえましょう。
「PichPichいそ」では、カニやウニやイソギンチャクに触ってみましょう。
「いろいろ水族館」では、たくさんのおもしろい顔の生き物と出会えます。
「海とあそぼう」では、生命の誕生、死をまのあたりにしてください。

アクアマリンふくしまは、捕まえて、触って、味わってみるところまで発展させ、子どもたちの「自然への扉」の役割を担います。
エピローグの「展望室」は、太平洋のうねりと、小名浜港、阿武隈の山波を展望しつつ、人と地球の未来を考える場です。
アクアマリンはシナリオに磨きをかけ続けます。

※ この文章は2006年2月27日に安部館長が書かれたもので、テキストならびに館の外観などは当時のまま掲載しています

著者プロフィール

安部義孝(あべ・よしたか)

1940年東京都生まれ
東京水産大学増殖学科魚類学教室卒業後、東京都恩賜上野動物園水族館勤務
1968-69年、クウェート科学研究所所員となる
帰国後、東京都多摩動物園昆虫園勤務を経て、東京都葛西臨海水族園長、東京都恩賜上野動物園長を歴任
2000年より(財)ふくしま海洋科学館・アクアマリンふくしま海洋科学館・アクアマリンふくしま館長
主な著書に「クウェートの魚」など

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