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アクアマリンふくしまのシーラカンス学術調査計画の進捗

2012.2.27

アクアマリンふくしまのプロローグのテーマは、海と生命の進化。人々は、地球創世と38億年前の生命の誕生から先カンブリア紀までを数分のCGで通過します。そして、6億年前の「カンブリア爆発」の化石と生きた化石の水槽展示がはじまります。地球上に酸素が十分行き渡り、有害な紫外線をカットするオゾン層が形成されると生物が爆発的に増え、現生動物の代表が出そろいました。シーラカンスは古生代デボン紀から3億5千万年前の石炭紀の間に出現しています。多様な魚形動物が出現しては絶滅していきました。シーラカンスはカンブリア爆発の申し子であり、アクアマリンふくしまのプロローグの主役です。

アクアマリンふくしまでは、施設のシナリオを一層強調するために、シーラカンス学術調査を長期計画として位置づけ、以下のような活動をおこなってきました。

2000:7  アクアマリンふくしま開館。長期計画作成。
2001:3  国内委員会開催
2001:7 ~  企画展示「ザ・シーラカンス シーラカンスの謎に迫る」
2002:2  アクアマリン国際シンポジウム主催
2002:12  フロリダ国際シンポジウム共催 マラソンにて
2003:12  南アフリカ・イーストロンドンシンポジウム参加
2004:11  インドネシア科学技術院より調査研究許可
2005:4  スラウエシ島マナド調査実施
2006:5  インドネシアシーラカンス撮影に成功

 

アフリカシーラカンス保全プログラムとの提携

南アフリカのグラハムズタウンの水生生物種多様性研究所、旧名JLBスミス魚類学研究所のアフリカシーラカンス生態系プログラムと,アクアマリンふくしまシーラカンス調査研究長期プロジェクト間で2006年4月20日、相互協力の「覚え書き」に調印をしました。アクアマリンふくしまは、インド洋のプログラムと連携して、水の惑星のモンスター、シーラカンスの生態解明に共に取り組むことを決意しました。

インドネシアシーラカンス保全プログラムの確立に向けて

アクアマリンふくしまと、インドネシア科学技術院、LIPIは、2006年5月26日に、インドネシアシーラカンスの持続可能な研究を目的として、多角的な協力関係を維持するために、映像管理の覚え書きに合意しました。形態学的にも生態学的にもインドネシアシーラカンスに関する知識は極めてわずかであり、インドー西部太平洋海域における本種の保全のためには、生物学的研究は焦眉の急です。アクアマリンふくしまは、今後、LIPIおよび、サムラトランギ大学とさらに力を合わせ、インドネシアシーラカンスの保全にとりくむことにしました。この覚え書きは活動強化の大切な第一歩となるでしょう。

アクアマリンふくしまは、ここに、インドネシア科学院のカシム博士、ジョコ博士、及びマナドのサムラトランギ大学水産学部長マッセンギ博士、同夫人からのアドバイスや励ましに感謝の意を表します。また、ムレックスダイビングのスタッフや船員など多くの方々の協力にも感謝いたします。
この度の成果は、彼らの協力無くしては実現しなかったことは明らかです。

謎は深まるばかり

ゴンベッサ、アフリカシーラカンス、Latimeria chalumnaeは、その後、南アフリカ沿岸から、タンザニア沖、マダガスカル付近でも発見されています。ラジャラウト、インドネシアシーラカンス、Latimeriamenadoensisの生息域は、スラウエシ島からさらにインドー西部太平洋から拡大するのでしょうか。両種の分布域はどこに境界域があるのでしょうか。アフリカシーラカンスは30㎝近い稚魚を出産することが知られています。しかし、稚魚は未発見であり、生活史は不明です。謎はますます深まるばかりです。

※ この文章は2006年7月24日に安部館長が書かれたもので、テキストならびに館の外観などは当時のまま掲載しています

著者プロフィール

安部義孝(あべ・よしたか)

1940年東京都生まれ
東京水産大学増殖学科魚類学教室卒業後、東京都恩賜上野動物園水族館勤務
1968-69年、クウェート科学研究所所員となる
帰国後、東京都多摩動物園昆虫園勤務を経て、東京都葛西臨海水族園長、東京都恩賜上野動物園長を歴任
2000年より(財)ふくしま海洋科学館・アクアマリンふくしま海洋科学館・アクアマリンふくしま館長
主な著書に「クウェートの魚」など

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