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Vol.19 サドモグラ

2016.6.9

 日本にすむモグラ科のうち、「モグラ」と名前のつくいわゆるモグラは6種がいるとされています。当園で飼育展示しているのは全てコウベモグラMogera woguraです。前回、佐渡の白いネズミを紹介しましたが、佐渡には佐渡にしかすんでいないモグラ、サドモグラMogera tokudaeがいます。
 前回も登場した佐渡の後輩君に以前、実習で使うのでモグラトンネルの型とり方法を教えて欲しいと言われ、Vol.14で紹介した発砲ウレタンを用いた方法を教えました。うまくできたようで使用後は差し上げますね、と後日それを受け取りました。コウベモグラのトンネルは直径約4cmでしたが、このサドモグラのトンネルの直径は約6cmもありました(土壌の違いによる差もあるかもしれませんが)。サドモグラは日本国内では、新潟本土にすむエチゴモグラMogera etigoに次いで大型のモグラだと言われています。九州のコウベモグラはコウベモグラの中でも比較的小さいとされていますが、トンネルでもここまで大きさが違うんだ、とびっくりしました。しかし、どうせならトンネルだけではなくモグラ実物が見てみたい。佐渡の哺乳類研究を行っている後輩君はいずれ捕獲したら真っ先に連絡しますよ、と言ってくれていました。

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 先日ついに後輩君から捕獲したとの連絡が。画像が添付されていますが、見た目はただのモグラ。よくわかりません。そこで外部計測値を教えてもらうと、性別:雄、頭胴長:161.0mm、尾長:24.0mm、後足長(爪あり):24.0mm、後足長(爪なし):20.0mm、手掌長:25.0mm、手掌幅:23.0mm、体重:113.1gだそうです。おもなサドモグラの頭胴長は140-160mm、体重は70-90g※とされていますから、サドモグラの中でも大きいサイズでしょう。私がこれまで捕獲したコウベモグラでも100gを超えたのは、捕獲後飼育中に太りすぎたメタボモグラくらいですから、モグラトンネルの直径の差は納得できます。いずれは佐渡に赴いて、本物のサドモグラを見てその大きさを実感したいと思っています。

画像が送られてきたサドモグラ。

画像が送られてきたサドモグラ。

※モグラハンドブック/飯島正広・土屋公幸 著/文一総合出版

著者プロフィール

渡部大介(わたなべ・だいすけ)

1980年生まれ香川県出身。
宮崎大学大学院農学工学総合研究科博士後期課程修了、農学博士。
2005年より宮崎市フェニックス自然動物園勤務。
趣味は飼育できる動物は何でも飼育してみることと標本作製。中学時代は小鳥飼育に夢中になりすぎて先生につけられたあだ名が「ジュウシマツ」。

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