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Vol.2 うみうし研究所開設

2017.9.4

ご無沙汰しております。
まだ2回目だというのにしばらく空いてしまいましたが、この間にかごしま水族館では重要なプロジェクトが進行しておりました。
世界初(?)のウミウシ専用常設展示「うみうし研究所」を館内に開設いたしました。

ウミウシの飼育は極めて難しく、取り組んでいる水族館や研究機関もごくわずかで、まだまだ満足に飼育できる種がほとんどありません。しかし取り組まなければ進歩はありません。ならば私が・・・とウミウシの飼育技術の確立を目指し勇んで作り上げました。

今回はその「うみうし研究所」を紹介します。

大きなコーナーではありませんが、以前より見やすくなった小水槽21個と、初の環境展示水槽4個をメインに30種類以上のウミウシを展示・飼育しています。

こちらは錦江湾の浅場を再現した環境展示水槽の1つ。ウミウシの餌であるカイメン類などもここで飼育し、ウミウシと餌生物が常に同じ空間にある状態を作り出しています。こうした展示ではウミウシたちは岩の隙間などに隠れてしまうことも多いので、全く見えなくなることがないようにけっこうな数を入れています。海でウミウシを探す気持ちで展示を見てみると毎回なにかしらの発見がある、そんな水槽を目指しています。

こちらは六角形がもつハニカム構造を利用してつくった新しい小水槽です。水の循環の仕方やウミウシの見え方、照明の当て方など、いろいろな部分でこだわった水槽です。21個の水槽が連なり、全てに違う種類のウミウシが展示されています。おもしろい名前のものからきれいな色彩をもつもの、変わった形のものまで、ウミウシの多様性を感じていただける水槽を目指しています。

こちらは研究所のタイトルサイン。ここにも六角形を組み込んでいます。
このうみうし研究所は本館2階アクアラボコーナー奥に新設されておりますので、このタイトルサインを目印に足をお運びいただければ幸いです。

こちらは期間限定の展示(冬までの予定)ですが私が鹿児島で調査した全380種のウミウシ写真を並べた写真展です。日本には1200種以上のウミウシがいるとされておりますのでまだまだ鹿児島にも多くの種が生息しているはずですが、これだけでも多様さが感じられればと思っています。

おかげさまで夏休み中のウミウシ展示は非常に好評でした。県外や国外からの来館者も多く、初めて見るウミウシに驚いたり気持ち悪がったり癒されたりと人それぞれに楽しんでいただけたようです。うみうし研究所は今後も常設水槽としてあり続けます。
今後はさらなるウミウシの飼育技術の発展と繁殖技術の確立、そしてウミウシの魅力発信にも力を入れていきたいと思っています。

著者プロフィール

西田 和記(にしだ・かずき)

1987年、愛媛県生まれ。
2010年 鹿児島市水族館公社(いおワールドかごしま水族館)入社。
深海生物、サンゴ、ウミヘビ、クラゲなどを担当する傍ら、ウミウシの飼育・展示・調査に勤しむ。ウミウシ類の飼育技術の確立が目標。

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